ヤマタケ

秒速5センチメートルのヤマタケのレビュー・感想・評価

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)
3.7
ねぇ、秒速5センチなっだって。」

「え、何?」

「桜の花の落ちるスピード。」


…唐突に繊細すぎる街並みの風景に乗って
このセリフから物語は始まる。

「どーせこんなの若い子達が観るような
“等身大の自分達の物語”
みたいな
アニメーションなんでしょう?」
…とさして興味も無かった。

しかし冒頭に書いたように、
いざ話が始まると、
その繊細な風景に吸い込まれた。。

甘酸っぱくほろ苦い少女漫画のような台詞。。
そこに
ドラマ「北の国から」を織り交ぜたような切なさ。。

…何だろうこの感じ。

自分みたいなおっさんに
このような感情が眠っていたのが驚いた。
気がつくと新海誠ワールドに
完全に飲み込まれた。。

そして
山崎まさよしのこの往年の名曲のイメージが、
ガラリと変わった。
寂しい灰色のイメージの曲だったのが、
ほろ苦い初恋の思い出の曲のイメージに
まるで色を塗り直されたようだ。

エンディング近くで
流れる曲に合わせて、
浮かび上がる思い出シーンに
とても世界観がマッチングして、
心がざわつくのだ。

新海誠監督。。。。うーん。
やっぱりこの人凄い。
ヤマタケ

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