TAK44マグナム

ドキュメント 太陽の牙ダグラムのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
リアルロボットアニメのひとつのマスターピースとなった「装甲騎兵ボトムズ」の前に、高橋良輔監督が送り出したミリタリー調が特徴的なロボットアニメが「太陽の牙ダグラム」です。

地球からの圧政に苦しむ植民地惑星デロイアの独立戦争を背景に、ゲリラ部隊の「太陽の牙」が最新鋭のコンバットアーマー(機動兵器)のダグラムを用いて戦うお話で、ロボットが活躍する場面と同じかそれ以上の割合で、子供を無視したかのような暗い人間模様や現実的な政治劇が繰り広げられるといった、異色作といっていいアニメでした。
ただし、ガンダム以上にリアルさを売りにしたダグラムは、プラモデルのモデラー達を筆頭に支持を得て、テレビ放映が延長されるほどの人気を博しました。
主役メカのダグラムからして、頭部がヘリコプターのキャノピーの様で目も無く、カラーリングの基調も黒という地味さで、崖から引き上げるのにも鎖を使ったり、移動はトレーラーに乗せて等、それまでのロボットアニメにはあまり見られない現実的で斬新なロボットだったんですね。
個人的な思い出としては、リアル調のプラモや玩具、シミュレーションボードゲームなどをよく買っていました。

そんなダグラムを「戦闘メカザブングル」と一緒に劇場映画化したものが本作ですが、70話以上あるテレビシリーズを短い尺ではどう編集しても無理があるわけで、結果的にドキュメントと銘打っている通り、デロイア独立戦争で起きた主な事件をピックアップして語ってゆくといった形式がとられています。
コンバットアーマーの戦闘場面も思ったより少な目な上に、よく分からないキャラクターが説明不足のまま出てきては消えてゆくので、ダグラムを初めて観るのが本作だった場合、何のこっちゃわからん映画で終わってしまうかもしれません。
でも、そんなのは百も承知でファン向けに作った、お祭り映画(併映のザブングルやチョロQダグラムと合わせて)なので、仕方ないところでしょう。

これを観に行った時の事と言えば、記念品をいくつかもらえたのを憶えています。
その中に、実際に使用されたセル画が入っていて、家に帰るまで中身を見ないで楽しみにしていたんですね。
出来ればコンバットアーマーが描かれたのか、最低でも太陽の牙のメンバーが描かれた物が良かったんですけど、家で開けてみると、ドラマ上の最大の悪役であるラコックのどアップだったんで、「こんなのいらん!」とメチャ悔しかったのに、なんだかんだ言ってその後の何年間も部屋の壁に貼っていたのも良い思い出です(苦笑)。


劇場、レンタルビデオにて