TAK44マグナム

海上48hours ―悪夢のバカンス―のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
夏だ!海だ!バカンスだ!
・・・とくれば、当然サメに襲われるわけDEATH-YO!


カンザスからやってきたナットとトムのカップル、そしてその友人の5人の仲良しグループは松任谷由美じゃないけれど最後の春休みを利用してメキシコでのバカンスを満喫していた。
カンザスへの帰途が待つ最終日の朝、酔った彼らは二台の水上バイクを尾崎豊の如く盗み、勢いで沖まで出てしまう。
そこで事故を起こしてしまい1人が負傷、水上バイクも故障という最悪の事態に陥ってしまった5人の男女。
壊れた水上バイク以外は何も無い海上で漂流するほかなくなった彼らに追い討ちをかけるように忍び寄る獰猛な人喰いサメ!
その脅威に1人、また1人と餌食にされていく。
なんとか生きて帰ろうとするナットであったがトムの浮気まで判明してしまい・・・


監督は変わったものの「海底47m」シリーズの製作陣が新たに放つサメ映画。
タイトルにある数字はもはや意味は無くて、漂流する時間も24、5時間ほどではないかと(苦笑)
たぶん無理やりシリーズとして括る為の邦題であり、原題は単純に「SHARK BAIT」。
タイトルの出方もバカっぽくて格好いいし、サメに噛まれた傷をバッチリと見せる作品です。

主人公(ヒロイン)は他人思いの優等生で、その他はマッチョやお調子者・・と、この手の映画のテンプレート通りで非常に分かりやすい。
何でもありなバカンスの雰囲気も祟って、ついバカな事をしてしまうけれど、基本的には友達思いであって明確な悪人は出てきません。
漂流するのが一昼夜程度なのもあって、こういうシチュエーションスリラーによくあるような仲違いする描写が希薄なんですよね。
「海底47m」も「海底47m古代マヤの死の迷宮」もそうでしたから、このシリーズ?の特色なのかもしれません。
薄っぺらい話だなと思う反面、胸糞悪い展開にならないので観ていて気分的に楽ではあります。
まぁ、でもそれだけじゃ流石にドラマ不在になってしまうからか主人公の彼氏が親友と浮気していたという割とどうでも良い要素をぶっこんできたりしますよ。
勝手な想像をするに、水上バイクで漂流してサメが襲ってくるだけの話ではドラマを盛り込むのが難しく、とりあえず浮気していたことにするか!みたいなノリが垣間見えまして(苦笑)、実際あまりドラマティックに機能しないままサメの脅威だけがメインとなってゆきます。
しかしながら実際はそんな事はどうでもよく、サメが出てきて人を喰らえばそれでOKなのでその点では楽しめました。
前作までよりグロさが若干グレードアップしており、足から骨が突きでたり、下半身が丸ごと喰われてしまったりと生々しいゴア描写があります。

ラストは他のサメ映画なら前菜にもならない感じで拍子抜けしてしまいましたが、ビキニ女子がサメに襲われるという一点においては存在意義のあるサメ映画ではあるでしょう。
女優さんのルックスが、ちょっとエマ・ワトソンや往年のクリスティ・スワンソンみたいだったりして、個人的に胸元や太腿を露わにした彼女たちを見られるのも眼福でした。
視覚的にも、映るのがずっとキラキラした海なので何か夏っぽい映画を観たい時にもうってつけでしょう。

ぶっちゃけ観ても何の足しにもなりませんが、これから海へ行くカップルがキャッキャ言いながら楽しむぶんにはオススメですし、盗んだバイクで走り出してはいけないんだと再認識できる作品でございました。

劇場(横浜ブルク13)にて