ぬーこ

8 1/2のぬーこのネタバレレビュー・内容・結末

8 1/2(1963年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

監督 フェデリコ・フェリーニ

2回目
現実とうつつを行き来する作品も2回目となると多少は分かってくる

冒頭のワルキューレ、もうワルキューレ聴いたら本作か地獄の黙示録を反射的に考えてしまう。

美人な女子大生と結婚して、自慢してるのか舞い上がってるのかしてる白髪男。聞いてもないのに色々話しかけてくる。

出た!道化!広場で陽気にでも不気味にマジックを披露してくる彼は何の象徴なのか。後のフェリーニ作品にも頻繁に出てくる。
アサニシマサ!からの回想

宇宙船の見積もり
イタリアは本質的にカトリックか?


2021.148

監督の自伝的作品
フェリーニ初見だったのもあり、何が何やらのシーンが多かった。

著名な映画監督であるグイドは、次回作について思い悩んでいる。脚本家や出資者からは製作を急かされ、頭を抱えこむ。 
そんな現実に過去のカトリック学校での回想や本人の妄想が重なって、カオスな展開になっていく。

最後の方、前からチラチラ見てた1番の美女・クラウディアを連れていけたのに自分からそのチャンスを離してしまう。その時のクラウディアとのやり取りが印象深かった。女に男は変えられない、君の役はないんだとと伝えるグイド。
恋に破れて、仕事仲間に連れ去られ、製作発表会で言葉に詰まり、机の下に逃げていくのは笑えた。そしてその後。

クラウディアも脚本家の友人も示唆に富んだ、グイドと正反対の主張をしていて、まるでフェリーニの中の相反する自我が対話してるように見えた。

真面目に映画のこと考えてるのかと思ったら友人の若い再婚相手や女優をチラチラ、あげく妄想でハーレム作り出すのは正直な監督だなぁと思った。グイドはダサい所満載だし、カッコつけないところ共感できた。

冒頭の車のシーンから追い込まれてる。周りの車に乗ってる人から見られてて、でも前にも進まないし、車のドアも窓も開かない。

音楽が頻繁にかかっていた。フェリーニの頭の中で流れてる音楽なのか。ワルキューレとか他の映画で聞いた曲が多い。

幼少期の頃の樽のお風呂楽しそうだな、入りたい。子供タオルで抱えて運ぶのも楽しそう。貧乏でもその中を楽しむ子供らが可愛い。
学校の頃、海辺の踊り子にお金を渡して、踊りを見る。それがバレて、いじめかと思うほど厳しいキリスト教の神父や教師。反教会的なシーンは当時はどう見られたのか。幼少期の無知は無意味と脚本家の男は話すが。

グイドとクラウディアが車に乗ってるシーン。灯に照らされるのにクラウディアだけに光が当てられ、グイドは真っ暗。

2020.199
ぬーこ

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