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そして誰もいなくなったのtackyのレビュー・感想・評価

そして誰もいなくなった(1945年製作の映画)
4.0
原作は、アガサ・クリスティーの中でも、一番好きな作品で、何度も読んだが、その世界観を上手く表していたと思う。
俳優も違和感なく、無人島や屋敷の造形、殺人の手口や小物など、とても良かった。
特にこの作品は「疑う」という大きなテーマがあるのだが、それも上手く描かれていた。

この映画が、戦後まもなくの作品というのには驚かされる。最近のハリウッドのくだらないサスペンス映画よりも、数段上の作品である。

ルネ・クレールは素晴らしい監督なんだけど、やはりこの時期なら、どうしてもヒッチの作品と比べてしまう。
やはり、間違いや勘違いを使ったハラハラドキドキ感や、映像で見せる不安をあおるシャドーの使い方、被害者や犯人の描写など‥ヒッチにはかなわない。

ラストの改変は、私は映画ならこれで良いと思う。
ハリウッドだからとか関係なく、原作どおりの結末にした、日本のTVドラマが凄く暗くて、救いようがなかった記憶があるからで、ヒッチが撮っていても(クリスティーの作品は撮らないと思うが)こうしたと思う。
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