改名した三島こねこ

そして誰もいなくなったの改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

そして誰もいなくなった(1945年製作の映画)
2.7
原題『And Then There Were None』

読書家の皆様ならご存知アガサ・クリスティー原作の傑作ミステリー。その映像化作品というだけあって視聴前からかなりの期待値であった。

本作は古典でありながら人気作品だけあって、近年のリメイク版と合わせて視聴できる比較研究的なおもしろさがある。
特に本作は有声映画自体普及してそう時代が経過していないので、BGMの未成熟さや現代まで活用される映像技法など映像資料として優秀。容疑者同士の堂々巡りの尾行合戦などは今見ても普通におもしろい。

しかし映像化による改悪も初期から存在しており、ラストの展開は原作ファンからすると許容できるかかなり怪しいところ。
全体的にゴシック調の閉塞感溢れる雰囲気も薄まって、ドタバタコメディになっているのは悲しい。

原題からすると原作ファンには絶対ナシな映像化なのだけれど、おもしろいにはおもしろいのでこの点数で。