ゆみモン

おろしや国酔夢譚のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

おろしや国酔夢譚(1992年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

さすが井上靖の原作。これが実話だというから凄い。
約200年前の鎖国中の日本。
異国の地に流れ着いて、言葉もわからず、気候も厳しい中で、自分なら生きる気力を持ち続けられないと思う。とっくに餓死しているか発狂しているか…だろう。

17名の乗組員のうち、海上で、そしてロシアで亡くなった12名。残る5名のうち、2人はロシアに残る。(ただ、西田敏行演じる庄蔵は本当は帰国したかったのではないかと思うと切ない。)
残った3名は、10年近い歳月を経てやっと日本への帰国が叶うが、川谷拓三演じる小市は、上陸直前に亡くなってしまう。
いくら鎖国しているからと言って、日本に帰って来た時の二人の扱いが酷いのが許せないし悲しい。まるで罪人扱いだ。つくづく日本人は、“身内には親切だが他人にほ冷たい”“未知のものを受け入れにくい”のだと感じた。
しかし、その後の光太夫の人生が健やかで良かった。