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殺しの烙印のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

殺しの烙印(1967年製作の映画)
3.1
鈴木清順監督、日活最後の作品
笑わせたいのかハラハラさせたいのかそれともハードボイルドな男の美学か男の愛に萌えさせたいのか困惑が深まる一品

「女を抱いてきたのか?」
「あたりきよ」 
「湯たんぽを抱きな」
冒頭から飛ばしている

「俺は飯の炊けるにおいが大好きなんだ」と、パロマのガス炊飯器にかぶりつきでハアハアする宍戸錠演じる殺し屋No.3花田五郎
(パロマガス炊飯器のタイアップが途中で捩じ込まれ怒った製作陣がこの設定にしたらしい)

監督流美学は分かるもののこれを一体どう消化したらいいのか再鑑賞しても分からんwww

監督作40本目にして初のオリジナル脚本と企画(これまでの作品はプログラムピクチャーで監督は会社から寄越される企画脚本で映画を撮る形)そこでチャレンジ精神をフル発揮
炊飯器に悶える殺し屋ってだけでも飛ばしてるのに、No.1の殺し屋・大類進の筋が通ってんだかかき回してんだかどっちなんだか不明すぎるキャラクターは笑いどころなのか何なのかw

会話の飛ばし振りに突っ込みが追いつかない、ギャクでやってるのかも判断できない
便器の中で水流にくるくる回る髪の毛にしては変と思ったブツが再鑑賞で理解
あれは排泄物だったのね……

殺し屋のプロ、癖つよすぎな脇役陣、美女…あ、007いやスパイだけど……その文法を監督が使うとこうなったのか……と謎の腑に落ち
(これ間違い、日活アクションスターの文脈が恐らく正解、けどあんまその系の作品を観てない)

様々なシークエンスに見どころは多い
ビジュアルだけ見ればとてもクール 
ガジェットの使い方がユニーク
雨の中に浮かびあがる謎の美女・美沙子(真理アンヌ)の美しさと彼女の眼力の強さ

訳わからんけど、お腹いっぱいになる作品だった、あと宍戸錠の顔は好みではないけど(老年の顔のほうが好き)めちゃくちゃいい体だしスーツの着こなしも良い、スタイル良いよなあ