dm10forever

ミッション:インポッシブル3のdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.9
【色彩】

またまた休日の昼下がりに午後ローにて再鑑賞。
いや~トムが若い。この時点でも結構いい年だと思うんだけど、若いわ~。
ホント『スパイはつらいよ』でシリーズ化して欲しいね。『トム次郎恋やつれ』みたいな(笑)

そんなこんなの劇場版第3弾。
その度に監督が変わるんだけど、いい意味でどんどんブラッシュアップされていく感じは観ていても小気味良いし、基本路線が「スパイ≦アクション」色に傾倒していっているけどそれでもやっぱり面白いのは「裏切り」や「伏線」などのスパイ要素をきちんと残しながらも、新しい血(監督交代)が入ることで、アクションの魅せ方をガラリと変えて、さも新鮮なものとしてツラッと提供してくれる胆の強さなんだろうね。

今作もご他聞に漏れず面白い。スケールは回を増すごとにどんどん凄くなっていく。
だけど死なない不死身のイーサン。
もう、頭に爆弾仕掛けられても生き延びちゃうんだから、どうやったら殺せますか?って感じですわ。

「1」はどちらかというとアクションよりも「騙し合い」とか「伏線」とかの比重が高くて、お茶碗洗いながら観ていたりするとお話しについていけなくなるなんて事もあったけど、「2」で我らがジョン・ウーにバトンタッチされたとたん、前面にアクションが押し出され、それでいてスタイリッシュな映像で「頭(思考)で観る映画」から「目(直感)で観る映画」としての立ち位置を確立した。
もちろんスパイゲームの面白さも織り交ぜつつではあったけど、割とライトというか、大衆向けというか、スクリーン映えする作品だったし、以降基本的にその流れは踏襲されていると思う。

で、この作品。
そうか、そうだった。
J.J.エイブラムスの映画初監督作品だったんだもんね。
まだまだ今で言う「エイブラムス節」全開とまでは行かないまでも、やっぱり「らしさ」は感じるし、シリーズ作品でありながらもチラチラと独自の色を出そうとしていたのも感じる。
特に「2」での「何をやってもカッコいいイーサン・ハント」という一種のアイコン化されたキャラクターから「人間臭いイーサン・ハント」という一面が描かれだしたのもこの作品からかもしれない。
それまでの「青い」感じだったり「ひたすらカッコいいプレーボーイ」という感じではなく、傷つくし、やられるし、死にかけるし、失うし。
それをクリアしていくのが「人間イーサン・ハント」として描かれていた。
勿論、エージェントとしての才能は申し分ないけど、リーダーとしての立ち居振る舞いも求められるし、段々と「自分の感覚頼り」だけでは動けないという状況にもなってはいるけど、それ以上に「人としての判断」や「人としての苦悩」という等身大のイーサン・ハントが描かれていたように感じた。

トム・クルーズも段々と年齢を経て、俳優としてもベテランの域に達してきたからこそ、困難に挑戦し続ける姿がリアルなイーサンに被って見えるのだ。

回を追うごとにアクションシーンもスケールを増していくこのシリーズ。
実際に飛行機にしがみついてみたり、隣のビルに飛び移って足首ゴキってなったり。
でも、それすらも出来なくなっていったとしても、この路線が生きている限りトム・クルーズはイーサン・ハントでいられ続けると思う。
そういった意味でも、これもシリーズの行く末を照らす1作だったと感じた。



そう言えば・・・・
この作品でも強烈な印象を残したフィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなってもう6年も経つんだね・・。享年46歳。若すぎる・・・。
今、その時の彼と同い年。誕生日も一緒。・・・なんだかな~。
どんなにちょい役でも画面に映るだけで何故か強烈なインパクトを残す名優だったと思う。
ご存命の時は「マット・デイモンをちょっと田舎臭くした感じが『似て蝶』」なんてチョケてごめんね。
結構好きな俳優さんだったんよ。
ほんとに惜しい才能を失ったと思う。
改めて合掌。
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