らんらん

乱菊物語のらんらんのレビュー・感想・評価

乱菊物語(1956年製作の映画)
3.0
時は室町末期、瀬戸内海の室の津は権力者に屈しない独立した商人の町であった
そこを統治する遊女陽炎(八千草薫)は民にも慕われており、豊かで平和な日々が続いていた
しかし、陽炎に恋慕する大名?赤松(小堀明男)は女も町もモノにしようと無理難題も乗り越えて迫ってくる、そして遂には武力での強硬手段をとることに、、、

原作谷崎潤一郎らしい、、、なんか全然そんな感じしない
冒頭室町末期とかいかにも歴史物っぽく始まるんだけど、中身は無国籍冒険活劇みたいな感じです

初めの方はかぐや姫っぽい、陽炎は無理難題の品物を要求するんだけど、それが実在したから困っちゃう
躍起になって手に入れようとする赤松家家臣団、それをさせまいと裏で動く陽炎の手の者、そして謎の第三者海竜王(池部良)なる人物

前半まではこの後どう展開していくんだろう?って期待させてそこそこ面白い
ところが後半からはいろいろと強引になってきます
陽炎と海竜王は実は幼い頃に許嫁同士で運命の再会、お互いに赤松家に家を滅ぼされた過去を持つ
姫は復讐の機会を待っていた、一方海竜王は今はそんなことに囚われず広い世界に旅立とうという立場

なんだかんだ赤松家側が強硬手段に出てきたのでラストでは戦うことになる
海竜王は敵の本陣に単独乗り込んで赤松を討ち果たし、町に攻め込んだ家来たちもそれを知り退散、ラストシーンは海竜王と姫が寄り添い、仲間一同が船に乗り新天地に旅立つ絵でおしまい、、、というファンタジー感

うーん、ストーリーはなかなかトンデモな気がする、いろいろとアラがありすぎてツッコミ入れる気にもならないくらい

ですが!最後まで見れたのはヒロイン八千草薫の美貌!今まで見てきた中でも一番美しかった、びっくりするくらい
これより前の映画「宮本武蔵」ではそんなに思わなかったんだけど、この作品に限ってはやばかった、その魅力があったから作品自体もそう悪くないように思えちゃう

しかし乱菊物語ってタイトルからこんな内容は想像出来なかった
なんか残菊物語みたいで文芸作品っぽいじゃんね、だまされたわー
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