ぜにげば

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 1作目があまりにも好きじゃなくて続きを見ようか迷っていたが、モヤモヤするくらいならと見てみた。結果として思ってたよりは遥かに面白かった。そもそも『ロード・オブ・ザ・リング』よりも後に作られてるシリーズだし、2作目が公開されるまでのスパンも長い。自分が思ってるよりも前作からの進化が凄く、素直に映像が美しいと思えた。

 アクションと大まかな展開もかなり好みだった。異世界に入るまで展開が早いのがめっちゃいい。アクションに関して戦争になってからはかなりバランスよく入り乱れてる印象で、何が起きてるか分からない程ではないし、モブが戦ってないわけでもない。中盤の1回退却を余儀なくされる展開はかなり好みだった。門を支える漢気には痺れたし、生きて帰れたものとそう出ないものの差が切なかった。ネズミが潜り抜けられることをわざわざ描くのも良かった。画作り的な不満点はほぼない。

 ただ細かいやり取りや展開には不満がかなりある。まずアナグマが射抜かれてるのに徒歩で戻ってダラダラするな!自分より後ろのやつが撃たれてんのに何やってんだ!そしてなんで当てれない!展開重視すぎるだろ!真剣にやれ!そんで懐中電灯を落とすな!しょうもない!死ぬんやぞ!転けて落としちゃうとかでいいだろ。何余裕こいて手悪さしてんだ!メンタル強すぎだ。
言い合いになった時の王子の主張が弱いのもどうにかしてくれ。「どっちの言い分も分かるなぁ」って思わせてくれよ。
一騎打ちの持ちかけも交渉として弱すぎる。三雲修連れてこい!応じ方も子供すぎ。合間に休憩が入るのもくだらない。ワカンダ行って揉まれてこい!時間稼ぎ出来るわけない手法で十分すぎるほど出来てる。「こっちの世界で死んだらどうなるんだろう」ってセリフもめっちゃ疑問。今!?!?
そしてアスラン貴様だ。勇気がうんたらかんたら言ってるけど黙って最初から来いよ!言い訳はいい!来い!舐めるな!真剣にやれ!お前が来りゃ死人は遥かに少なかった!反省しろ!!色々発言も曖昧だ。なんでここまで侵略を許したのか濁さずちゃんと言いなさい!真剣にやれ!

 一番の不満に関しては少し真面目に書く。作中を通して「小さい」ってやたら言うのが特に好きじゃなかった。小人と違ってホビットって種族がそもそもあんまり好きじゃないというか、種族として分かれるほどの差異がないのに別の種族として切り分けたその発想がそもそも嫌い。実際小人症の役者さんに演じてもらうことが多いわけで、それってつまり人間と差異がないことの現れじゃんか。ホビットという種族の特徴を認めた上での「小さい」って発言も不愉快だし、僕には小柄な人間族に「小さい」って言ってるようにしか思えないから尚更不愉快。言われて悲しげな顔をするホビットもよく分からない。ホビットの価値観と共通する部分があるって事じゃん。ホビット達が人間基準で大小を測る節がある時点で、そんな価値観の人達に「小さい」って言っていいわけないだろ。
ただの加害。
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