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やわらかい生活のoden8のレビュー・感想・評価

やわらかい生活(2005年製作の映画)
4.0
"おぉ〜いっ!ヒメやぁ〜!"
by トノ

"夏ってとっとけるのね。雨季の様なうつで…。今年は夏を知らなかったから。季節がいっことんじゃってて。"
by 優子

この作品の主人公は躁うつ病だったけど。誰にとっても、頑張り過ぎない"やわらかい生活"は必要だよねぇ。

流石は、僕的薄幸クイーンの寺島ねぇさん。気分の上下と普段の無気力な雰囲気の演技がお上手すぎるのね。どんなに明るいシーンでも、常に愁いを感じさせてくれるんだもの。

僕は彼女が双極性障害だったから。6年間ぐらいかな。僕も心が穏やかな時間って限られてたの。楽しい和やかな時間が刹那に感じれる程に。
だから、劇中の"ワタシには空白ばかり"という台詞が…とても心に刺さってもうたよね。
生きている心地を心底感じれる時間が、他の人たちよりも限られている。だからこそ、楽しい時がより煌くんだけど。
その振り幅と落差や。あまりにも辛い時間が長過ぎるんだよね。
明けない雨季もなければ、明けない夜もないんだけど。その苦しい時間が、永遠のように感じちゃうんだよね…

その感じが、優子からも伝わってくるの。"希望"が"絶望"に感じちゃうのかなぁ。明るい未来を想像すると、余計に望んではならないものの様に感じてまうんだろうなぁ。

だから。優子もそうだったように。小さな幸せに、凄く敏感だし貪欲だよね。それは、誰にとってもめっちゃ大切なことだと思うの。日々の生活を柔らかくする。簡単なことの様で、とても難しいよね。

豊悦様演じるトノが、また丁度ええ感じの悪い男なんですわん。あんな役を、豊悦様にさせるなんて…世の民をどうしたいね〜んっ!?身体から、骨という骨がなくなってまうやないかぁ〜いっ!!
ただただ、どんな状態の時でもそっと寄り添ってくれる。とことん甘えさせてくれる。なんて…。なんちゅう〜罪な男やでぇホンマにぃ〜。

だけどぉっ!!!
豊悦様と寺島ねぇさんの、尾崎豊の"ダンスホール"は…ちょっとお残念過ぎましたぞぉ〜いっ。めっちゃええ曲やのにぃいぃっ!!!!

誰もにぶっ刺さる作品んじゃあござりませんが…。心も、ずっとザワザワしちゃいますけども。そんな時間に浸るのも、たまにゃいいのかもしれませんなぁ。
だって、"やわらかさ"って…ついつい忘れちゃいがちなんだものん。

空白を埋めてくれる
心が裸の時間
ワタシがワタシでいられる時間
ちょっとだけ
幸せを噛み締めてもいいかしら

"心の捻挫みたいなもんで。"
by 優子

"もったいないけんて言ったけど。生きてきた時間。今までのことも、もったいないけど。もっと。今がもったいないって。昔のアルバムより。今やろぉ。もったいないんは。"
by トノ

Cast(役者·キャラ) 4.5
Story(物語) 4
Architecture(構成) 3.5
Picture(画) 4
Acoustic (音) 4
24-71
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