みんと

秘密と嘘のみんとのレビュー・感想・評価

秘密と嘘(1996年製作の映画)
3.7
グイグイ興味を刺激する展開に最後まで引き摺られるように鑑賞。そもそもタイトル“秘密“と“嘘“の吸引力に鑑賞せずには居られなかった。

よどみなくテンポの良い会話のキャッチボールを含め、何処か大人になりきれてないようにも母親のエゴ丸出しのようにも見える主人公(ブレンダ・ブレシン)の演技が素晴らしかった。男運が悪かったって言うのも全くの言い訳じゃないいわゆるメンヘラ感が絶妙な中年女性を演じきってた。

ドラマチックさを煽る劇伴が効いてる。
個性的極まりない登場人物達は とりわけ同居の娘とその彼氏が際立ってた。弟夫婦のエピソードはそこまで必要性を感じなかったけれど検眼士の娘の逞しさと優しさは救いでもあり、唯一寄り添いやすかった。

最も安心出来るのが家族である一方 最も煩わしいのもまた家族。
どの家族だって多かれ少なかれ問題を抱えていて、そういう意味では日常に潜む非日常を淡々と描いただけの作品のようにも思える。

されど、切っても切れない関係を決して美化せず普遍的なものと捉えリアルに描かれていた。

通してしっかり面白みは感じるけどなんとなく無理やり感が捨てきれなかったのは きっと好みの問題だと思う。
みんと

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