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「秘密と嘘」に投稿された感想・評価

※自分用備忘録※

主役の女優さんすごいな

2022.6.25 CS227
708

708の感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

第49回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した作品。重くなりそうなテーマを、淡々と重くさせることなく描いた濃密な人間ドラマです。

シンシアの声や喋り方、思ったことをポンポン言う無神経さがずーっと苦手で不快でした。彼女の孤独感やあらゆることに対する心細さが、情緒不安定で直情的な態度や言葉に出ているんだろうなぁと思いつつ、この調子で2時間20分近くも大丈夫だろうかと思ったんだけど、気づいたら物語に入り込んでました。結局ラストまで、娘ロクサーヌの仏頂面は眉間に皺が寄ったままでしたけど。

シンシアの孤独感や心細さはわからなくもないけれど、他人への依存や押しつけがとても激しく、まったく連絡をくれなかった弟モーリスに八つ当たりしていたかと思ったら、いきなり泣き崩れて抱きしめてと言い出す始末。自分からは何も行動しないのに、相手に求めてばかりの超面倒臭い女です。おまけにロクサーヌのバースデーパーティーで、周りのことを一切考えず、ホーテンスが実の娘であることをいきなり告白。自分が荷物を降ろすことで、その荷物を他人が抱えることになるという想像力の欠落に超呆れました。

ホーテンスの父親が誰なのかは、直接的なシーンでもセリフでも登場しないため、シンシアが若い頃に行きずりで黒人と肉体関係を持ったせいだと思い込んでしまっている人もいるみたいだけど、シンシアが16歳のときに黒人にレイプされて生まれたのがホーテンスという事実。だから、ホーテンスから自分の父親はいい人だったかと聞かれて、シンシアがイエスと言えなかったのはそのせいです。

先日観たとある作品では、自分は母親がレイプされて生まれた子だということを知っている女性の苦悩が描かれていましたが、ホーテンスは事実を多分知らない状態。でも、シンシアのことだから、今後またホーテンスやロクサーヌにストレートに告白するんじゃないでしょうか。娘たち、本当に気の毒です。

シンシアがロクサーヌにお節介レベルなことをあれこれ言うシーンは、本当に邪魔臭かったです。特に避妊に対して細かく口出しするところは、いくら母親でもそんなことまで娘に言うの?!と思ったものの、シンシアの過去の自分の体験からなんだなと、後になって思いました。シンシアなりの娘への思いやりなのでしょう。

それにしても、シンシアの弟モーリスの素晴らしさよ。ホーテンスに対しても「今日から家族だ」と声掛けできる優しさ。彼がいなかったら、一家離散もいいところでしょう。こういう終わり方もなかったはずです。

この作品はあらすじが決まっているものの、脚本がなくその場その場で監督が俳優とアドリブでつくり上げたそうで、シンシアとホーテンスが駅の入り口で待ち合わせをするシーンは、打ち合わせも俳優同士の面通しもなく、いきなり演技だったんだとか。固定カメラで長回しも多く、舞台劇やドキュメンタリーに近い感触がありました。

淡々と物語が進んでいくので、入り込めないと2時間20分が長いと感じるかもしれません。僕は入り込んでしまえたので、長いとは感じませんでした。
Reiren

Reirenの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

台本無しで即興劇の様に作った
という割に、話が破綻していないので
大まかな台本は存在していて
言葉遣いとか芝居のニュアンス的な部分で
細かな指示を出さなかった、という程度だと
思う

シンシアが自分の感情に酔うタイプの人なので、
16歳の時に軽はずみにHしちゃった感じで妊娠したとか
(多分)、その結果養子にやった娘の気持ちも思いやらず
自分の気持ちが一番大事な所とか、
誕生祝いを皆に賑やかに祝ってもらっている
娘の所に、ひとりで誕生日を過ごしたという
黒人娘を誘う無神経さとか、
しかもその席で、自分がついた嘘に
耐え切れず本当の事をぶちまけるとか

シンシアという人物の
無神経で自分本位で自分可哀そうな
ムード満点の熱演、についていけなかったです

「人生っていいわね」

おまえが言うな。

話は最初に設定わかった時点で予想した
通りの結末で、意外性はなかった

カンヌでパルムドール取ったという割には
期待外れの出来
otomisan

otomisanの感想・評価

4.1
 たまにはこういう、男が小じっかりした話に接するとほっとする。細君がかかえる辛い事情も姉貴の嵌まった困難もこうすればどうにかなるだからそうしなよ、といえた問題ではない。どちらも20何年にわたる厄介事だったが、こっそり里子に出された姪子の出現を取り繕って実母な姉貴がついたいっときの嘘、その嘘の堪え難さに姉貴が負けたはずみで、かの秘密の諸々も次々に決壊する。
 しっかりしていればもとより何も起こらないで済んだのかは分からないが、家族って何だろうとか俺は家族かなとか不安に思ったら、大決壊の収拾の真ん中に立ったこんなビア樽俳優を思い起こすのもありかもしれない。
こな

こなの感想・評価

-

授業でみたから初めは階級や人種などそんなことを考えてみてたけどすぐしなくなった。
知っていると、愛されていたは別のことだということ。電話してるふたりが良い顔でわたしもうつった、
シンシアが、誰より真っ直ぐで素直だということに気がついた。誕生日の祝い方、それからロクサンヌだって
ay

ayの感想・評価

3.6
みんな痛みを抱えていて孤独なんだ。台本はなくほぼ即興らしい。sweetheart言いすぎ。
「整理しないと」「何を?」「生き方を」
街の写真屋の夫婦と、その姉の家庭、あと黒人の女性が冒頭から出てきますが、彼らの関りが30分以上すぎないと、分からない。

1996年の作品だけど、まだこの頃はイギリスでも不妊治療って公にしないものだったんですね。
アメリカだと「これから治療の予約があるので早退します」と、会社にも言わないといけないから、オープンですが。

姉のシンシアが、若い頃に苦労したとはいえ、あの場で、なんの考えもなくぶっちゃけちゃうなんて、行き当たりばったりにも程がある。
それに、やっぱり揉めたら義妹に八つ当たりするし。
義妹に父親の保険金の事で文句を言ってたけど、どうせ弟と折半したんでしょ?
おそらく保険金はたいした額じゃなかったと思うから、弟があんなに大きな家を買えたのは、単に仕事を頑張ったからでしょ。
文句を言う筋合いじゃないよね。
でも、シンシアも単純な人だから、これだけお互いにぶっちゃけたら、わだかまりは無くなったかな。

あの場に居た弟の会社の事務員さん、そりゃ固まるよね。
家族のすごい暴露話の中に、場違いな他人がいるんだもの。あの中には居たくはないわ。

この作品、おおまかな粗筋は考えていたのでしょうが、脚本は無く、俳優と監督で場面場面で即興劇の様に撮ったそうです。
その割には破綻は無く、上手にまとまってました。
少し破天荒な性格の中年女性のシンシア。娘のロクサーヌとの関係が険悪な中、かつて自分が養子に出した娘ホーテンスと再会する。複雑な家庭事情を抱えたシンシアを中心に家族の絆を描いたヒューマンドラマ。

身近にいる娘ロクサーヌと養子に出して以来会っていなかった娘ホーテンス。2人の娘がいる事実をロクサーヌに長年隠していたシンシア。それを知っていたシンシアの弟のモーリスと奥さん。こういった込み入った事情がある家族の物語。

特別有名なキャストはいませんし、美男美女が揃っている訳でもありません。あくまで役柄に相応しい感じであり、演技力もしっかりある人を集めている印象を受けました。

監督であるマイク・リーの方針で、大まかなストーリー展開は用意されているものの、劇中の出演者が喋る台詞は全てアドリブ。なので演技には見えないリアルな空気感が味わえた気がします。まるで一般人の日常生活をそのまま切り取っているかのよう。

そのキャストの演技力と監督の方針が噛み合っていたと思いますし、登場人物のキャラクターの良さも秀逸。主人公シンシアの思ったことをすぐに口にしてしまう見てて腹立つキャラは本当にいそうな人物像。個人的にはシンシアの弟のモーリスの存在は本作のMVP。彼のおかげで悪く行きがちな物語の流れを良い方向へ導いていたと思います。

ただ作風自体は非常に単調なので、合わない人だとひたすら退屈な作品。2時間半弱も長いなぁと最初は感じていましたが、いざ見てみると意外とあっという間。僕としてはかなり見応えアリな一作でしたね。
nago19

nago19の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

シンシアの周りへの依存と自分勝手さとそれを許してくれる弟。早くに母を亡くして父と自分を見てくれた感謝から。頭が悪そうなこの女性を演じたのがすごい。現れた娘は良い子で結果みんなをまとめることに。心を閉ざして自分を守ることも必要だし曝け出して分かち合うのも大事だけど、弟嫁に子どもができないとわかった時に私の方が幸せねときっと思っただろうシンシアが嫌い。
moco

mocoの感想・評価

3.9
見終えて思ったのは、内容は違えど、小津安二郎の東京物語を見た感覚ととても似ている。

主に5人を主軸に話は進む。
妬みや、疎ましさ、虚しさに蝕まれたシンシア(母/姉)、ロクサーヌ(娘)、モーリス(義妹)。とにかく皆それぞれにイライラしてる。
三方向を塞がれたモーリス(弟)。気遣いで倒れちゃうんじゃないのと心配になるけど、家族写真家という商い上、人の気持ちのよく分かる優しい人。
そして、産まれて直ぐに養子に出されたホーテンス。

観ている人によってどのキャラに感情移入するか、変わってくる作品。
家族同士のギスギスは悪循環が付き纏いアルアルが散りばめられていて、ストーリーに面白みは無いものの気付けば先が心配になってしまう。

そんな中でもとびっきりの演技とキャラを魅せたのがホーテンス。複雑な環境だったからこそ、悲しいかなメチャクチャ自立している。その姿は美しく、凛としているのに、儚げ。彼女のキャラと、表情や涙を流すシーンは釘付けになった。スッバラしすぎ!
そして、彼女の存在が皆をズタボロにし、修復していく…

本作は人生の一部分をキレイに切り取ったかのような作品。
家族の凸凹を全部盛り込んだ東京物語さながらって思ったなー。
そして、こちらのエンディングの方が好きだった、姉妹の距離感が観ていてくすぐったい💓

数年後にまた鑑賞したい作品かな🌈


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台本が無かったとか。
それを知るとより一層マリアンヌさん/ホーテンスが好きになるし、超苦手な役柄だったけど、ブレンダ/母役の悲劇のヒロインぶりは演技とは思えない凄味がある🔥
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