塔の上のカバンツェル

キプールの記憶の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

キプールの記憶(2000年製作の映画)
3.3
学生の頃に観賞。

第4次中東戦争を描いた2000年のイスラエル製作作品。

ヘリコプターで負傷兵を輸送する医療部隊に従事した2人の主人公を軸に展開する本作は、ギタイ監督の実体験に基づいている。

"ギタイは第四次中東戦争の従軍中にも8ミリを回しており、20年近く経ったのち関係者へのインタビューなどもおこなって、これらの映像から1994年にドキュメンタリー映画『戦争の記憶』 を制作した。
本作はこれを発展させたフィクション作品である。"

キプールとは、ユダヤ教の祭日であるヨム・キプール(贖罪日)のことであり、“ヨム・キプール戦争”(第4次中東戦争)を意味する。

「父親たちの星条旗」や「ハクソーリッジ」などと同じく、医療部隊を取り上げだ数少ない作品でもある。

戦場での時間の9割は“待つ”ことと言われる。
医療技術を持たない主人公たちが泥にまみれ、負傷兵を担ぐ場面を延々と観せられる様は、観る者に退屈を禁じえない。
この戦争映画は、“静”に近い作品だとも。

今までの人生で最も意味不明なベッドシーンに関しては、汚された日常と、主人公の混沌とした心象風景を表現しているのではないだろうか…そういうことにしておく。