2000年を目前に控えた1999年という世紀末に呼応するような不穏に満ちた空気感を漂わせる平成ガメラ三部作の完結編。これまでのガメラの謎が明らかになる。前作までは地方都市が破壊されていく恐怖を俯瞰的に見ていたが、とうとう三作目で渋谷がガメラとギャオスの対決により壊滅するから余計にリアリティが際立ってゾワゾワした。怪獣は生きながらにして人を救いも殺しもする存在であるということを、助けられた側、メチャクチャにされた側の二つの側面から描いているのは秀逸。ギャオスの大群だけでもヤバいのに、イリスの絶望的に強そうなビジュアルにかっけえなと思いつつ勝てねえだろとも思う。果たして世界は救われたのか滅んだのか。
