おーたむ

スティングのおーたむのレビュー・感想・評価

スティング(1973年製作の映画)
4.7
コンゲームもの、どんでん返しものとして名高いスティングを、この度鑑賞。
良いですね。軽妙、かつ鮮やか。

最大の見せ場はどんでん返しの場面でしょうが、そこまでの過程も面白いです。
お尋ね者となったフッカーが殺し屋と悪徳警官の両方から追われる展開からは動的なスリルを、ゴンドルフがロネガンをはめるためにめぐらす策謀には知的スリルを感じられ、ワクワクしました。
騙す手口がアナログかつ大がかりなのも、ギリギリ無理のない範囲で大風呂敷広げた感じで、私はとても好きですね。
リアリティは担保しつつ大いに盛り上げてみせるバランス感覚はお見事でした。
また、ともすればゴリゴリのスリラーになりそうな話の筋を、明朗な物語として成立させた両主演も素晴らしかった。
最後の最後まで余裕が崩れないポール・ニューマンと、どんな時でも陽性の空気を放つロバート・レッドフォードでなかったら、本作はここまで爽快な作品にはなっていなかったような気がします。
スターって偉大だと思わされますね。

今や一つのジャンルを形成しているコンゲーム作品ですが、その代表格と言われる理由がよくわかる作品でした。
スターの魅力と緻密な脚本で魅せる、やはりこれは傑作だと思います。
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