トシオ88

嘘のトシオ88のレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.3
大映女優オムニバス作品第二弾。監督は、増村保造、吉村公三郎、そして衣笠貞之助。

第一話「プレイガール」
第二話「社用2号」
第三話「3女体」

第一話は滝瑛子とジェリー藤尾、そして江波杏子が絡む愛憎ドラマ。昔の女子短大生って凄えなぁと感嘆。自分大学生の頃はこんな発想すらなく呑気に過ごしてたから吃驚。シュールな三人並んでのベッドシーンて飛び交うドライな台詞には増村節炸裂かも。六本木界隈でガンガン地下鉄工事をしている昭和の港区が懐かしい🗼。

第二話は叶順子と川崎敬三の会社社長の2号さんを巡るコメディ。やはり叶順子はイカしてるぜ(昭和風表現)。お妾さんの悲喜劇を描くけど、いつもの叶順子と違い、コケティッシュな魅力を振りまく😍。本作後、間も無く引退してしまったのが残念無念😢。益田喜頓がお妾のパトロンの大阪の製薬会社社長を飄々と演じている😆。
東京タワーの周りにはビル全くなく、やはり当時の東京にタイムマシンあったら行ってみたい🗼⏰。

第三話はいきなりのホラーな展開。描写がとにかく暗く画角が何か歪んでる。冒頭、船越英二がリアルに射殺されるシーンから始まる本作。三人の女が虚実乱れる証言をしてよくわからない結末へ…😨。
森光子と中田康子、そして乙羽信子が暗い演技の火花を散らす🔥

オムニバス「女経」に比較すると、暗めの作品がメインだけど、二話の叶順子の作品があって救われる。一話の増村監督の内容は当時の東京という都会を刹那な生き方で斬ってみせたモダンな作品だと思う。最後に救いあり。一番シュールで難解なのが三話。何度も観るには宇津井健の警部補が怖すぎてビビってしまう😰。
トシオ88

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