すずき

エンゼル・ハートのすずきのレビュー・感想・評価

エンゼル・ハート(1987年製作の映画)
3.7
私立探偵ハリー・エンゼルは、謎めいた富豪ルイス・サイファーから人探し依頼を受ける。
サイファーはかつての人気歌手ジョニーに、彼が死ぬまで、という契約で援助をしていた。
だがその彼は現在、行方も生死も不明。
依頼を受けたハリーは、ジョニーの足取りを追って、黒人文化が色濃い南部ルイジアナ州へ。
捜査を続けるうち、ジョニーの関係者が殺され、事件の背後にブードゥー教の存在が垣間見える…

ミッキー・ローク主演のオカルト・ミステリー映画。
南アフリカを起源とする精霊信仰に、キリスト教が融合して生まれたブードゥー教。
ゾンビの元ネタもブードゥー教で、カトリックから見たら異端のそれは、欧米では邪教と描かれる事が多い。
本作でも、ブードゥーの血生臭い儀式が描かれている。
それが真実かはともかく、キリスト教から離れた民族文化にエキゾチックな雰囲気を感じた。
異文化民族ホラーという意味で、「ウィッカーマン」「哭声/コクソン」っぽさも。

主人公のハリー・エンゼルのキャラクターがいい感じ。
難事件を推理する名探偵じゃなくって、浮気調査や誰かの弱みを探る様な怪しげな調査をこなす、本来の意味での探偵。
皮肉屋の無神論者で、やさぐれたミッキー・ロークがぴったりの役。
しかし、クライマックスで明らかになる事実に、もう少しキャラクター的な所にも伏線があっても良かったかな。

あと、ヒロインのエピファニーが凄くキレイで良かった。
演じているのはリサ・ボネット。ゾーイ・クラヴィッツの母親なのね。
ハル・ベリー姉御やゼンデイヤちゃんみたいな、黒人と白人ハーフの女優、イイよね。