今年の年末年始はホーチミンで過ごした。
映画が好きになり始めた1980年代、ベトナム戦争を扱った作品がアメリカで多くつくられたように思う。いくつかは映画館で見て、その時の思い出も残っている。
なので、ベトナムというとその印象がある。
改めてその歴史にも触れ、今一度ベトナム戦争映画を観ようと鑑賞。
この作品にベトコンや北ベトナム軍は出てこない。唯一の「狙撃兵」以外は。見えない敵と戦っているように描かれる。
戦争は人を異常にする。戦争の悲劇自体を饒舌に語らずに、若者の人間性が崩壊していく様を描くことでキューブリックは、世界に訴えたのだろう。
ただ、ベトナム戦争の悲劇はこれだけに終わらない。内戦やゲリラ、枯葉剤の散布などによって民間人をも巻き込んだ20世紀最悪の戦争かもしれない。いや、そもそも戦争は最悪以外の何物でもない。
今年こそ世界各地の紛争が終わることを願う。
