mstashdさんの映画レビュー・感想・評価

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夏時間(2019年製作の映画)

4.3

ある家族の一夏の出来事を描いた作品。
一言で言えばそうなのだが、そのどこにでもあるようなありふれた家族の姿が他に類を見ないほど叙情的に描かれている。

とにかく光の捉え方が美しい。明るい南向きの大きな
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atmosphere(2017年製作の映画)

3.2

atmosphere
この映画は終始「空気」を描いている。
言葉は空気を通して伝わる。
登場人物たちはみな饒舌ではない。
それは、過剰な言葉の連なりが空気をかき乱し、その美しさを破壊するということの
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逃げた女(2019年製作の映画)

4.2

会話劇、ベルリン映画祭銀熊賞という共通点で、昨日見た偶然と想像に続いて今日はホン・サンス。
こちらは極めてリアルな演出。まるですぐそこでたまたま繰り広げられている日常をそのままカメラに納めたようである
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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

新年映画館鑑賞初め。エンドロールが流れた時鳥肌がたった。そして今このレビューを書き出して、また鳥肌が立った。
新年早々衝撃的な作品だった。
3つの短編、カメラの長回しと演劇的な台詞回しによる会話劇。そ
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そうして私たちはプールに金魚を、(2016年製作の映画)

3.8

短編の映像表現として、とてもまとまっている。27分を疾走するスピード感と少々たちの若さが持つ勢いがシンクロする。
いかに退屈でどうしようもない日常でも、少女としての時間はあっという間に過ぎる。その刹那
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Delivery Health(2019年製作の映画)

3.0

ホテルの一室で繰り広げられる2人の会話劇と思いきや、踊りが始まる。
森山未来、石橋静河2人とも俳優にも関わらずダンスのクオリティが高く、この2人でしか成立しない作品だ。しかしながら表現としては、劇とダ
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Cosmetic DNA(2020年製作の映画)

3.5

若い監督が低予算で情熱を持って映画をつくったという熱量が伝わってくる。大文字の「映画」という文脈に囚われず、純粋に映画に向き合っているであろう姿勢も好感が持てた。ただ、だからこそではあるだろうけど、イ>>続きを読む

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(2021年製作の映画)

4.2

小説の発売から30年以上の年月を経て映画化。当時僕は中学生だった。
当時逆襲のシャアが映画公開され、その続編として刊行された小説、ベルトーチカチルドレン、そのあとの閃光のハサウェイ。
映画はもちろん小
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

4.0

三島由紀夫の作品は若い頃から大好きだ。代表作はほとんど読んだし、彼の生き様ももちろん知っている。東大全共闘との討論は父から渡されて流し読みをした。しかし、本からはこのリアルな熱量は感じられなかった。>>続きを読む

17歳(2013年製作の映画)

3.1

ラストのシャーロット•ランプリンクが最高。異性ながらこんな風な老人になりたい。

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.7

ロイ・アンダーソンの描く、彩度が徹底的に落とされた空間は、まるで生命を剥ぎ取られた剥製のように美しい。生命とは多様性であり、つまりはノイズである。ノイズのない抽象的な世界の中で、もがく人間ーホモ・サピ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

2.7

正直に言うと昔からこの手の映画が得意ではない。とはいえ、少し前に見た「建築学概論」のように、歳を取ると、若き日の心のすれ違いと葛藤と切なさにグッと来ることがあると思い、この映画も観てみた。
とても切な
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽のような映画だった。厳密に構成され、密度の高いスコアのようなプロット。いわゆるヒューマンドラマからロードムービーに変わる様はまさに転調といえる。
それだけではない。重奏するフィクション、そして映画
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

3.2

消えつつある古き日本の父親像と、なまはげという文化。なまはげは継承されるべき父親像の表象であるのだろう。父親像とは何か。
古いタイプの父親を持ち、親とは全く異なるタイプの父でもある我が身としては、永遠
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

3.6

過去も未来も現在すらも、その心の流れは捉えられない。般若心経の一節から始まるこの作品には、現実と虚構が入り混じるような捉えどころのない時が流れる。ビー・ガン監督の次作『ロングデイズ・ジャーニー』を昨年>>続きを読む

Calling(2012年製作の映画)

3.3

無音のクライマックス。何も語らない、結末もない。しかし映画としての強さがある。

泣いたことがないなんて、嘘つきめ(2020年製作の映画)

3.6

ただ無心に描き続けること。描くことは誰かを幸せにする。そこには希望がある。
良作。

タイトル、拒絶(2019年製作の映画)

2.3

タイトルに惹かれたが、その説得力は感じられず。

ぼくらのさいご(2015年製作の映画)

3.4

縁側はいい。神戸の隣の明石という街にあった父方の祖父の家の縁側は、広くはない庭だったが蜜柑の木があり、絵を描いていた祖父の油絵の具の匂いが好きだった。
福井にある母方の祖父の家は広く、大きな手入れの行
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ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.3

パレスチナを舞台にしたワンシーンムービー。舞台となる美容室はでは、女性だけの物語が紡がれる。外は銃声と荒れる男たちの錯乱の世界。
これが日常である場所がある。その現実が、映画を介してこそ世界へとつなが
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いさなとり(2015年製作の映画)

3.5

これは映画なのか、それとも現実を切り取った目の前の出来事なのか。それくらい作品の中に流れる時間は緩やかで、出演者の演技は自然だ。
映画とはとどのつまり圧縮された時間である。そのことを改めて思わされた作
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

3.9

冒頭から鳥肌がたった。素晴らしい映像と音楽。意匠デザインにアンリアレイジの森永邦彦を加えることで、より完成度の高い美しい映像空間が生まれている。前作「未来のミライ」では、建築家の谷尻さんを加えるなど、>>続きを読む

飛べないコトリとメリーゴーランド(2015年製作の映画)

1.2

成田淩よかった。らしい感じ。デビュー作品だそう。内容は、なんだかなぁ、という感じ。

水面は遥か遠く(2017年製作の映画)

3.3

物語はシンプル。たった10分。しかし風景があまりにも豊かだ。象徴的な水面のオープニングとエンディングシーンはもとより、何気ない住宅街のシーンもフォーカスの妙で情緒豊かに描かれる。雑草が映り込む風景は懐>>続きを読む

閃光(2018年製作の映画)

3.4

何気ない日常。どこにでもある部屋。それでも美しい光は捉えられる。

A LITTLE WORLD(2011年製作の映画)

3.0

とてもあっさりした作品。夢を諦めた男と夢を追う女が雑踏の中で響いた外国語をきっかけに出会い、語り合う一晩の物語。あっさりしつつ、物足りなさなくまとめているのはなかなか。

不感症になっていくこれからの僕らについて(2017年製作の映画)

3.5

風景が美しい山間の町が舞台の短編。死んでしまった幼馴染に伝えられなかった想いを幻想の中で歌う。中学生の時に想いを綴った歌を。歳を重ねると不感症になっていくと。決してそのようなことはない。たった一つの中>>続きを読む

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