TDLのアトラクション自体が、恐怖を売り物にしているわけじゃないので、いきなりホラー映画になるわけがないし、ましてや最近、毒のあるマシンガントークが陰をひそめ、やたらファミリー映画出演が多いエディ・マーフィ主演ということで、まさにディズニーファミリー映画の王道を行く内容でした。というわけで、｢誰も知らない秘密｣もたいしたことないし、クスッ程度の単発的な笑いはあっても、全体的にゆるい展開で進んで行ったんですが、後半、重大な秘密を解く鍵を持つゾンビ軍団の、下手なホラー映画も真っ青、悪夢にうなされるのではと思うほどの存在感は、それまでのゆるい空気を打ち破り、一気にラストまでみせてくれました。エディ･マーフィは別に彼でなくてもって感じでしたけど、テレンス・スタンプの由緒正しき屋敷の執事らしい、格調高い演技はさすがにうまかったです。ただ大好きなジェニファー・テイリーが、占い師のマダム・リオッタという物語の進行にはとても重要な役どころなのですが、水晶玉の中で顔だけ出演なために、彼女の個性が全く出ていなかったのが、何気に残念だったりはしました。
