Tully

男たちの大和/YAMATOのTullyのネタバレレビュー・内容・結末

男たちの大和/YAMATO(2005年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

この映画は、半ドキュメントとして捉えるのが正しいように感じた。娯楽映画でもなく、記録映画でもない、しかし心に迫ってくるものがある。原作も取材を重ねたものだそうだ。戦艦大和の生き残りの人々の思いが伝わってくるような物語ばかりだ。「芸者を恋人に持つもの」 、「故郷に残した若い恋人を亡くすもの」 、「妻子を残して最後の出陣をするもの」 、「日本の将来への展望を胸に死に行くもの」 。多くの物語が作り物とは思えない迫力で迫ってくる。それはそうだ、取材による事実の積み重ねなのだから。同志の戦死報告に来た兵士に 「自分だけのこの子帰ってきて」 と言った戦死者の母親、戦時中にも関わらず息子たちのために作ってきたぼた餅を次男に振る舞い 「死んだらいかん」 と言って送り出す母親、息子の許嫁をかばって死んでいく母親。あまりに悲しいエピソードの連続に涙が止まらない。我々はこのような犠牲の上に現在の平和を与えられている。彼らの犠牲を無駄にすることなく、今を生きねばならないと考えさせられた。多くの人に見てもらいたい。
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