シネフィルmonk

夜も昼ものシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

夜も昼も(1946年製作の映画)
3.5
アメリカのミュージカル界に大きな足跡を残したコール・ポーターの半生を楽曲とともに綴る伝記映画。エール大学法学部に所属しながら、作曲家の道に進み、軍の慰問旅行で、ある女性と運命的な再会を果たし結婚、その後名声が高まる中で夫婦の亀裂が生じるが、最後エンディングシーンで感動の再会…。一挙に記しましたが、ポーターの名曲の数々が奏でられ、華やかさたっぷりの作品です。「ナイト・アンド・デイ」「ビギン・ザ・ビギン」の作曲のきっかけやエピソードも学べ、音楽映画としても楽しめます。

もう一つ、主役を演じたケーリー・グラントの生の歌が聞ける貴重な作品でもあります。ピアノはさすがに手だけ(笑)。いつも華やかな女性たちに囲まれるポーター。作曲を始めると没頭してしまい、成功の階段を登っていくとともに忙しすぎて成功の陰で奥さんが気の毒に感じる映画ですが、実際はコール・ポーターを描いたリメーク版の『五線譜のラブレター』で彼自らが告白しているように本人は同性愛者で当時から有名。これを承知で結婚していた奥さんはパリの社交界の花形で、両方鑑賞するとコール・ポーターの全体像もより深まると思います。
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