シネフィルmonkさんの映画レビュー・感想・評価

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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

3.6

ウディ自身は出演していないが、監督をまさしく投影したような冴えない中年作家が主人公。サン・セバスティアン国際映画祭を舞台に妻の浮気を疑いながら、魅力的な現地の美人医師と恋に落ちるコメディ。

深夜のパ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

『オッペンハイマー』を上映している劇場を探して、大阪の心斎橋で観賞📮です。3時間の長丁場に耐えられるように最後列のリクライニングシートを確保、登場人物が多いので迷いこみながら観賞を終えた感じ。もう一度>>続きを読む

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.8

アカデミー賞受賞作で評価も高い『関心領域』では、いまひとつナチス・ドイツかユダヤ人に対して行った残虐行為が私には伝わらなかったので、こちらをサブスクで観直すことにした。

ナチス・ドイツの高官がベルリ
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関心領域(2023年製作の映画)

2.0

アウシュビッツ収容所の壁を隔てたすぐ隣で、ナチス党員の高官家族が何食わぬ顔で平和な日常生活を過ごす。最初、意図的に映像がなかったり、ところどころで不穏な音が流れたり、収容所で残酷な出来事が行われている>>続きを読む

映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

劇場で見逃し、どうしても観たかった作品。最近、配信でも観ることができるようになり、鑑賞📮です。

フランスでリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフ。この映画草創期にゴーモン社の秘書から監督に転じて脚
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.6

作家志望の男が他人の尾行を繰り返すうちに事件に巻き込まれていくストーリー。ノーラン監督といえば『TENETテネット』に代表されるように時間軸を交錯させた、少し難解さが特徴的。デビュー作でもやはり時系列>>続きを読む

柘榴坂の仇討(2014年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

彦根城にこの前、行ってきたときこの映画のロケ地だったことを知り、DVDレンタルして鑑賞する。

桜田門外の変で討たれた主君井伊直弼の仇を討とうとする彦根藩士と、直弼を討った男。明治維新後、長い時を経て
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.7

遅ればせながら、『ゴジラ-1.0』(GODZILLA MINUS ONE、2023🇯🇵)のモノクロ版をAmazonプライムビデオで鑑賞📮です。

『ALWAYS 三丁目の夕日』等の山崎貴氏が、VFX・
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最後の戦い(1983年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

『グラン・ブルー』や『レオン』で知られるリュック・ベッソンの長編デビュー作。12分の短編『最後から二番目の男』をもとにした近未来のSFストーリー。地球の最終戦争による大気汚染で声帯がやられ、未来人は声>>続きを読む

ディメンシャ13(1963年製作の映画)

3.4

フランシス・フォード・コッポラがロジャー・コーマンのもとで働いていた頃、低予算短日で製作したという劇場映画監督デビュー作。日本では『死霊の棲む館』の邦題でTV放映されたそうだが、今回U-NEXTで初見>>続きを読む

恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.6

スタンリー・キューブリック監督の長編処女作。完璧主義者のキューブリックがのちにこの映画を自ら封印したらしいが、敵陣に取り残され、不安と恐怖の極限に置かれた兵士の精神状態がよく描かれた寓話と思う。モノク>>続きを読む

続・激突!/カージャック(1974年製作の映画)

3.8

TV版『激突!』(1971)で注目されたスティーブン・スピルバーグ監督の劇場映画デビュー作。

邦題見てると『激突!』の続編のようだが、全く別もの。裁判で子供の養育権を奪われた妻が服役中の夫を脱獄させ
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汝のウサギを知れ(1972年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

スカパー!で録画しておいたブライアン・デ・パルマの公式デビュー作。ザ・シネマの町山智浩氏のビデオショップUFOで本邦初公開されたものです。製作のワーナーと揉めて最後の編集権を取り上げられたそうで、 「>>続きを読む

ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

最近も『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)で健在ぶりを発揮した巨匠マーティン・スコセッシ監督の初期作より。

もともとニューヨーク大学映画学部の卒業制作に作ったそうで、メジャーデビュー作
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グレバン蝋美術館(1958年製作の映画)

3.7

ジャック・ドゥミの短編初期作。『シェルブールの雨傘』『ローラ』発表前のドゥミの知られざる作品です。ジャン・コクトー、ジャン=ルイ・バローが本人役で出てるなんて貴重な映像ありです。モンマルトルの蝋美術館>>続きを読む

陽は昇る(1939年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

名作『天井桟敷の人々』(1945)のマルセル・カルネ監督、詩人で脚本家のジャック・プレヴェールのコンビによるクラシックシネマ。

ストーリーはごく単純で、恋愛のもつれによる嫉妬心から殺人を犯した男が警
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行きずりの二人(1963年製作の映画)

4.3

『男と女』のクロード・ルルーシュ監督が26歳で手掛けた長編第2作。VHSビデオを借りて観た稀少なモノクロ作です。

連続女性殺害事件の犯人が脱走する中、見知らぬ男の車にヒッチハイクで乗り込んだ女性の運
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

先日のアカデミー賞で作品賞はじめ5部門ノミネートされ、脚色賞に輝いたオスカー作品。日本では残念ながら公開はなく、制作会社のMGMがAmazonの傘下に入ったことから、Amazonプライムビデオで独占配>>続きを読む

リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

4.0

家庭崩壊寸前の様々な障害と問題を抱えた家族が娘の美少女コンテスト出場のためにポンコツなミニバスで旅するロード・ムービー。

ギアが入りにくいVWのミニバスにみんなで乗り込む姿がおかしいけど、なんだか愛
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わんぱく戦争(1961年製作の映画)

3.6

フランスののどかな田舎町で繰り広げられる隣村同士の子どもたちの争い。子どもらしい下ネタで喧嘩をふっかけたり捕虜をとったり、あくまで子ども同士の戦争ごっこと思えば無邪気なものだが、これが大人の戦争だった>>続きを読む

友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

イラン北部の農村を舞台にジグザクの坂道を登り、遠く離れて未知の友達の家を不安げに探す主人公の少年。明日の授業が始まるまでに間違えって持ち帰ったノートを友だちに返さないと、友人が退学処分になってしまう。>>続きを読む

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)

4.5

冒頭、坂道を勢いよく駆け出す少年少女たち。フランソワ・トリュフォーの少年時代を連想させる問題児や友人の母に恋い焦がれる少年、アパートの中から「お腹減った〜」とアピールする娘に同居人らが食物輸送の救出作>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前作の復習を怠ったのと、IMAX版を選ばなかったのをやや後悔しながら📮です。

砂の惑星で採取される香料スパイスを巡って惑星間の争いを描くベストセラーSF小説(原作者フランク・ハーバート)の映画化、ド
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パレード(2024年製作の映画)

4.0

先月末からNetflixで配信されている話題作。この世にまだ未練を残す死者たちが会いたかった人たちを探す「パレード」に参加するストーリー。東日本大震災を背景にした設定になっており、遺された家族や仲間へ>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.8

劇場予告で、この春『異人たち』(2023🇬🇧🇺🇸)がリメイク版で上映されるのを知り、オリジナル版の大林宣彦監督作を鑑賞📮です。

偶然異界に迷い込み、幼い頃に死別した両親と再会するファンタジー。大林作
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

アカデミー賞発表前夜にいつもの劇場で鑑賞する。フランケンシュタインのような天才医師に蘇生されたベラの成長と冒険を性描写満載のSFタッチで描く異色作だが、私には肌が合わなかった。

エロとグロでR指定な
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

カンヌ国際映画祭パルム・ドールを制したフランス映画の実力作。アカデミー賞作品賞にもノミネートされており、発表前夜になんとか間に合った。

事故か自殺か殺人かー。このキャッチフレーズに惹かれてミステリー
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バービー(2023年製作の映画)

1.0

アカデミー賞ノミネート作で観たけど
レビューは省略

10ミニッツ・オールダー イデアの森(2002年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

『10ミニッツ・オールダー』で「イデアの森」と邦題のついたもう一つのDVDでは、8人の巨匠の中で時間軸の不思議な謎に誂んだのは2人。

ベルトルッチの 「水の寓話」は、インドの寓話をもとにしたショート
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10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス(2002年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ビクトル・エリセ、アキ・カウリスマキの久々の新作公開を機にDVDで鑑賞した。

上記2人に加え、ヴィム・ヴェンダース、ジム・ジャームッシュ、ベルナルド・ベルトルッチ 、イジー・メンツェル 、フォルカー
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.5

ビクトル・エリセの新作公開を機に過去作を再鑑賞してます。

スペインの内戦が終わり、村に巡回興行で来た「フランケンシュタイン」の映画に魅せられたヒロインのアナ。純真な大きな瞳から注がれる視線と風景。
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

オリジナルのスティーブン・スピルバーグ監督作(1985 )をもとにしたミュージカル版リメイク作。

20世紀初めのアメリカ南部テネシーが舞台。黒人社会の中でもさらに格差があり、過酷な状況に置かれたヒロ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

数日前に上京した折に渋谷の映画館で、『カラーパープル』と新作2本立てで鑑賞しました📮。

今作は寡作の巨匠ビクトル・エリセの31年ぶり長編新作。今作で本人が長い沈黙を破ったのをオーバーラップさせたかの
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フラッグ・デイ 父を想う日(2021年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

実話に基づく、愛する父が実は犯罪者だったという娘の葛藤と家族の関係を描いた作品。

息を吐くように嘘を付く父親と監督をショーン・ペン。実娘のディラン・ペンが父娘共演のほか、息子役も実の息子が出ていると
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MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

70才を迎えたリーアム・ニーソンがメキシコを舞台に認知障害に苦しむ殺し屋を演じるクライム・サスペンス。結構好みだった『アンノウン』と似たつくり。 

「007/カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャン
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