おぞましいコバーン。若き日の姿は荒いフィルムのグレインとバカズームで表現される。寒い部屋で妻が亡くなっているのを知りながら飲んでいるコバーン。その妻の搾取された時間を思う時。ノルティは街から出て行った秀才デフォーの無責任な囁きを鵜呑みにしてパラノイアになる。確かに土地買収の話は事実だが違法ではない。脳内で組み立てられる物語。妹夫婦は狂信者。スペイセクに「お前は年増で美人でもない!」と吐き捨てるコバーンと娘に糾弾されて殴り返すノルティ。最低過ぎる。雪の降る街で静かに狂い孤立していく。萎え切ったマチズモ。余りにも哀れなノルティに泣いてしまう。