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人のセックスを笑うなのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

人のセックスを笑うな(2007年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

松山ケンイチ演じる20才の大学生みるめと、永作博美演じる既婚39才の講師ユリのラブストーリー。これがとても可愛らしくほっこりしてしまう恋愛映画だった(不倫がメインなのに!)。タイトルが良くないな。全然内容に合っていない。ポスターも良くない。

とにかくこの映画、会話演出が抜群に上手い。どこまでが脚本でどこまでがアドリブなのかさっぱりわからないレベルで会話が自然(松山ケンイチなんか東北訛りが出ちゃってたし)。それぞれのシーンが非常にたっぷりと間をとってのんびりと描かれるのだが、そこで繰り広げられるやりとりがあまりに普通すぎて、映画を観ていることを忘れてしまうほど。特に主演二人が隠れ家でいちゃつくシーンは、全てがあまりにもリアル。わざとらしさが一切ないので、キャッキャしているだけのシーンなのに観ていて恥ずかしくなることも無い。「あぁ、本当にみるめはユリのことが好きなんだなぁ」というのがストレートにこちらに伝わってくる説得力。

この役は永作博美以外には出来なかっただろう。年齢不詳で、無邪気なあどけなさと色気が同居していて、それでいて悪気が一切なく相手を振り回し、心底人生を楽しんでいる感じ。こりゃ好きになっちゃうわ。松山ケンイチの朴訥で愚直な雰囲気も素晴らしい。脇の二人、主人公に想いを寄せる蒼井優と、蒼井優に想いを寄せる忍成修吾も完璧。

不倫が題材なのに、ここまで爽やかな映画になっているのが本当に凄い。結局ユリは旦那とフラリとインドへ旅立っていってしまうのだが、インドから主人公に電話をかけてくるという何とも憎めない小悪魔っぷりを披露して映画は終わる。頑張れ若者!
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