arch

盲目ガンマンのarchのレビュー・感想・評価

盲目ガンマン(1971年製作の映画)
3.9
「ドミンゴ、お前を傷つけたくない だが歯は全部折る 1本だけ残す バカにはお似合いだ。」
ぶっ飛ぶほど加虐的で無茶苦茶な台詞がたまらないウエスタン"座頭市"です。

座頭市といっても盲らしさは欠片もなく、逆に"聴覚"が優れている設定もない。代わりに馬が介助馬になっていることやライフルが白杖扱いになっていることが面白い。
悪玉にリンゴ・スターという異例のキャスティングだが、パンティーに見とれてる間にお陀仏にされるという一切の遠慮のなさが痛快。
ラストもそう、「ドントブリーズ2」にも通ずる闇の世界に引きずりこんでやるぜ展開もかなり鬼畜。全体に勧善懲悪で悪には何やってもいいという、明るいバイオレンスが成立していて、何度も見せ場になるようなバトルがあって良い。

ただ、ちょっと話が一辺倒で、やってはやられて、そしてやり返すをただ繰り返すだけのイタチごっこになってるのは退屈。そして衝撃的な画なのだが、やはり胸糞悪い女性虐殺シーン。特に本作は女性50人を文字通り、ものとして扱い、作劇上でもマクガフィンとしてしか扱われていないのが時代を考慮してもキツい部分はある。本作を観て改めて「怒りのデスロード」のプロットが如何に素晴らしかったのかを思い出させくれる。

余談だが、007とかってやっぱマカロニや西部劇の現代版として生まれたんだなぁと思いました。
arch

arch