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バニー・レークは行方不明のKamiyoのレビュー・感想・評価

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)
3.5
1966年 ”バニー・レークは行方不明”監督はオットー・プレミンジャー
オットープレミンジャーは「帰らざる河」や「悲しみよこんにちは」「黄金の腕」「栄光への脱出」など様々なジャンルに才能を発揮した名匠。

アメリカからロンドンに引っ越して来たばかりの
アン(キャロル・リンレイ)。
一人娘のバニーを保育所に預けたのだが
迎えに行くと彼女の姿が見えない。
行方不明になってしまったのだ。
誰もバニーの姿を見ていない。
スティーブン(キア・デュリア)という男が一緒にいるので
アンの夫だと思っていたら、
これが兄だという。ではバニーの父親は誰なのか。
スティーブンが入浴中でもアンは平気で傍で話をしているし、
どうも普通の兄妹ではないような、違和感を最初から漂わせている。
画面には最初から少女の姿は映されないので観客も疑いたくなる。
本当にバニーは存在しているのか。
アンは徐々にヒステリックになって誰にでも噛みつくので、
普通の母親の反応だとも思えるが
逆に芝居がかっているとも感じさせる。

観客はローレンス・オリビエ演じるロンドンの警視と一緒に謎を解くことになる

犯人は意外な人物なのだけれど
そうかなと思って見ると、その人しか考えられない。
途中でなんとなく想像が働き出す。
その辺りは、作り手側もわかっていて
実は犯人が後半4分の1ほどを残して
(つまり最初から4分の3ぐらい)で、犯人がわかる。
そこから、女性と犯人のハラハラの攻防が始まり
クライマックスの兄の変貌ぶりが冒頭とあまりにギャップがある点がやや不自然に感じられてしまう向きもある。
その変貌ぶりの説明が「サイコ」のように丁寧になされていれば納得できるものになったかもしれない
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