桃子

疑惑の影の桃子のレビュー・感想・評価

疑惑の影(1942年製作の映画)
4.4
「日米合作映画出演コンビ」

ジョセフ・コットンはこの映画の前年公開の「ガス燈」に出演している。なので、ビジュアルはほぼ同じである。かたや警部補、かたや疑惑の叔父さん。演じた本人もなかなかにスリリングな日々だったのではないかと勝手に想像してしまった。
良い人で大好きだと思っていた人物が、だんだんと怪しくて怖い人に変わっていく。これは心理的に非常に辛いことである。私はこんなコワイ思いをしたことはないが、付き合いの途中で「なんだ、こんな人だったのか。ヤダ~~~」と思ってばっさり切ったという経験は何度かある。
サスペンスのネタとして、このパターンはよく使われる。いい人だと思って結婚したら、実はとんでもない悪いやつだったというアレである。「ガス燈」もまさにそれだったし。こういう人物はホラー映画でもよく出てくる。人間だと思ったら悪魔だったとか(笑) 
ヒロインと叔父さんは同じ「チャーリー」という愛称である。男性のチャーリーは「チャールズ」だろうとわかったが、じゃあ女性は?ということで調べたら「シャーロット」だった。なるほど~~
ヒロインを演じているテレサ・ライトは公開当時25歳だが、もっと若く見える。可愛らしいし、演技も抜群に上手い。この映画が初見である。日本ではあまり知られていない女優さんなのかなと思った。「二人の可愛い逃亡者」という映画のロケのため、来日して2か月滞在したという。日本が舞台のハリウッド映画ってそう多くはないので興味津々である。機会があったら是非見たい!
一方、ジョセフ・コットンも「緯度0大作戦」という日米合作映画に出演している。日本から出演した俳優は宝田明とか岡田真澄って… すごい映画だな。これも是非見てみたい!!
「ガス燈」に登場したコットンの他の映画を見たいと思ってチェックしていて、ヒッチコックにも出てたのね!という動機で鑑賞したのだけれど、さすが監督のサスペンスは手ごたえがある。じわじわと来て、そうかー!となって、ラストはドカーンと衝撃的に解決する。チャーリーVSチャーリーの戦いが圧巻だった。
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