青二歳

鬼神伝の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

鬼神伝(2010年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

吹替版で鑑賞。吹替とは…日本のアニメじゃないのね。
現代の無個性な少年がいきなり平安時代に連れてこられ“救いの皇子”として鬼と戦うというお馴染み設定。戦いたくないという少年の葛藤がラストまで続くので文字通り役立たずでした。非戦を訴え続けるとはお前はアシタカか。あれもシシガミ様という超越者が事の決着を果たすのであって、アシタカは事態を収束させる訳ではありませんが、申し訳ないけど100分しかないので少年が戦ってくれないと話が進みません。やっと戦い出すのも怒りに任せたものだし、なんとも…

鬼の描写は面白い。なるほど“まつろわぬ神”ということらしい。だから鬼の衣装や盾がプリミティブなスタイルなのね。大きい神社でマイナーな神様と天孫系の著名な神様が合祀されているところとかこんなイメージですね(さらに神社の敷地に徳川幕府が仏さままで置いてたら完璧)。幼年時代の源頼光や渡辺綱まで出てくるし期待値あがる。
でも琵琶湖じゃ近過ぎないか…?せめて関東くらいまで行かないと。言葉も今風な漢語が多すぎてなんとも。
テーマとして、支配者の論理と被支配者の論理はネガポジのように反転する表裏一体であって、どちらが正しいという対立軸でないことが示される。とてもいいテーマなんだけど、その葛藤に立たされる実は鬼と公家のハーフという源頼光、二つの価値観をつなぐことを期待される主人公の少年、この二人の役割がなんとも微妙。
結局なにが言いたいのか分からなかった…あと公家を馬鹿にしすぎでは…白粉凄すぎてヒドい。
青二歳

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