このレビューはネタバレを含みます
感電死や送電塔が倒れてラフトが落ちて地面へ叩きつけられる際の無情さ(人形だからほっぽり出される勢いのままに落ちる)。ラフトがキャバレーで暴れる際のディートリヒの目線がロビンソンが客を殴った際のそれとは違い一目惚れのような物なのが悲劇的だし、結婚式で二人だけ踊るのも意図があるとはいえ恋愛に繋がる。誓いの前に挿し込まれる二人のクローズアップ。新聞紙投げやパン投げのような陽気さのあるアクションもある為重くなりすぎないのも良い。コメディ担当としてのアラン•ヘイルとフランク•マクヒュー。
ラストの送電塔上での対決、腕金を潜り落下しないようにしなければならないこと自体に緊張があるのだが、ロビンソンが足を滑らしてしまうかどうかが前提にあるため対決というよりロビンソンの自滅までの時間への緩慢な引き伸ばしとなっている。
ロビンソンがモテないのに二枚目風の振る舞いをするのが悲しい。『ストレンジャー』や『消された証人』の時のような貫禄ある演技も出来るし、情け無い中年の演技も出来る。素晴らしい。