これはまさしくONLY ONEの映画
『ドニー・ダーコ』系考察映画
▶︎難解さの水準というよりも、あちらと違ってそもそも解も方程式も存在しない。真面目に考察しようとすればするほどドツボにハマるタイプ。
『ムカデ人間』系露悪的映画
▶︎ゴア表現はたしかにあるのだけれどスプラッタ要素が痛々しいよりも薄気味悪いに寄っている。前衛芸術的ですらあるので悪趣味と切り捨てるのもなにか違う。
『パプリカ』系現実転倒映画
▶︎これは否定しにくいのだけれど本質的に違うような気がする。夢と分離するのを観客に要求するそれらと比較して、本作はむしろ思考停止だとか非現実空間の融和を要求されている感覚。個人的な感想なのでこれは異論があるはず。
なんにせよ悪趣味全開の映画であるのは間違いない。本気で視聴するだけビデオドロームとはなんなのかサッパリになるし、自分が正しいポジショニングで作品を鑑賞しているかすらわからなくなる。
ただひとつ確実なのは本作は監督の趣味のエロチックが詰め込まれているということ。マックスのヴィデオドロームの挿入口はVHSの容器でもあるが、女性器をモチーフにしているようでもある。変態趣味の男ならあの映像で性的興奮を覚えてもおかしくない。
本当の意味で変な作品が好きな人には最高にオススメ。