ぜにげば

モンスターのぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

モンスター(2003年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

嫌いじゃないけど、好きでもないかな。
1人目殺しちゃったところまではアイリーンのこと好きだったんだけどなー。
あの段階で自首という選択ができない時点で、素の頭が悪い可能性を捨てきれなくて、環境が~とか、事情が~とか、わかるけどあんまりノレなかった。
もう少しセルビーが警察に通報しようかどうか葛藤するシーンとかがあれば、そうだよね好きなんだもんねとか思えて作品全体に対する共感度も上がったかもしれない。
ただ最後に殺してしまった人の命乞いが辛すぎて、銃声とともに目をつぶって天を仰いでしまった。
それだけ引き込まれたということではあるかな。
実話を元にしてるということで、最初にセルビーと出会ったのは…と言ってるから一応主観はアイリーンだからアイリーンの供述とかも元にしてる筈なんだけど、現場を第三者が見届けたわけじゃないから、アイリーンが虚言を吐きまくってるかもしれないし、なんなら脚色してるかもしれない。
セルビーの証言とかと擦り合わせとかもしてはいるだろうけど、なんせ愛し合ってたわけだが、嘘も混じってるはず。少なくとも、殺人犯と、それを止めなかった人な時点で頭のネジは外れているわけで、俺は信じれない。
だからこの作品のノンフィクションという言葉もフィクションに思えるし、共感なんて微塵もできない。
今まで殺された側もクズばっかりだったから最後の一人で一気に胸を締め付けられたけどそれだけの映画かもしれない。

ただ1つ発見というか、この映画と他の方のレビューを通して気づいたことがあって、自分にとって実写の映像作品における「演技力」はまじでクソどうでもいい要素なんだと思った。
僕にとってアニメ漫画は虚構(現実とも捉えられるから好き)で、舞台は過剰(中間)で、実写は現実(の投影)なのでアニメの場合は声優の演技がすごいなぁとか作画の表現がすごいなぁとか思えるけど、実写はいかに不自然でないかが全てで、そこに内容が入って来やすいかどうかの最低限の演技力は求めるけど、素人じゃなければなんなら良い。(内容のジャンルによって差異はあるけど少なくともこの作品はノンフィクションと銘打ってるのでなんならより一層)
実写の作品に対して演技がどうとか言ってしまう自分に冷めるというか、正直演技なんて十人十色で、それを評価するなんて絵とか音楽とかに順番をつけるのと同じのように感じるし、人それぞれに良さがある。(もちろん順番をつけるのが必要な場面はあるし、順番をつけないと誰も褒めれないけど、その根底にはみんな違ってみんないいという考えがある)

だからこそ僕の、作品に対する評価の成分にキャストの演技力は基本的に含まれない。
アニメの場合声優に対する評価は正直含んでしまうけどそうさせたのは製作側で、演技力が乏しいゲスト声優を起用したり、かと言って声優が実写にでたら不自然さはなく、海外の声優は演技が下手(言語の壁を考慮しても明らかに抑揚とかが日本に劣る)で日本の声優はすごいと自負(俺声優じゃねえけど)がある。だからこそどうしてもこの声優すげぇ!と思ってしまうどころかなんなら思わされるし、アニメという世界観がそう思わせるに適した場だと思ってる。


このことに気づけただけでもこの映画を見てよかった。まあ評価には繋がらないけどな。
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