今月は嘘作品を沢山観ようと、嘘小説で面白かったこの作品が実写映画化されていると知り、購入して鑑賞。
なので原作ファン視点での感想。
幼い頃、監禁事件を経験した男女が高校生になった話。
当然のようにトラウマを抱え、まともではない重い世界観。
原作はライトノベル。
ライトノベルに不釣り合いなレベルでの重い話。
重い話ではあるが、ライトノベルなのでかわいらしいイラストとともにヒットした作品。
・・・なので・・・
「ライトノベルはヲタクがアニメ感覚で読む軽い読み物である」という先入観で実写化されているのを感じた。
変に茶化した、マンガ的な演出が不自然さを主張し、「非日常」と「非現実」を履き違えた描写でぶち壊している感じ。
映画化に際し、置き換えられた要素も、作品をより良くする役には立っていない印象。
内容を映画的に伝える方法は他にあったはずなのに…ちゃんとした原作をちゃんと映画化するつもりで構成すれば普通にちゃんとした映画になったと思うのよね。
間違った偏見で、コミカルに寄せたのが勿体なく残念。
ライトノベルレーベルから出ているが、一般文芸で出ていても間違いないレベルでちゃんとしたミステリが原作なのだから。
特典に、メイキングと舞台あいさつ。
色々面白くしようという工夫は感じなくもないけれど、本編と全然関係ない作品の会話で繋ぐのも…どうかと思わないでもない。
そういうインタヴューもアリだとは思うけれど、メイキング中に挟まれると違和感を感じてしまう。
付録で文庫のカバーイラストを中心に構成され、原作者とイラストレーターのコメントのついた冊子がついていた。