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おたくのビデオ 劇場版のmitakosamaのレビュー・感想・評価

おたくのビデオ 劇場版(1991年製作の映画)
3.4
今やオタク評論家になった岡田斗司夫の原作。
ガイナックスが庵野や山賀博之、武田康廣らオタク第一世代で結成され業界入りしたスタジオでだからね。

その中でも岡田斗司夫はやっぱり異質なのだと思う。
あくまで岡田は“オタク”であることに自覚的だった人物なんだよね。
クリエイターとしてのオタクではなく、社会の奇異な目線に対峙する立場としてのオタク。
その意味では岡田はオタクと社会との間を取り持つプロデューサーが本来の手腕が発揮される場だったんだろうね。
そういう岡田の意向が最も反映されたのが今作でしょう。

テニスが趣味の爽やか大学生が高校時代のオタクの友人に再会し、オタ教育をされオタクになっていく、という話。
宮﨑勤事件もあり、世間がオタクに対して反社会的存在として扱っていた時代。その潮流を自虐的に冷笑するような内容。
物語の間には実写映像が入り、社交性の無いオタクらのインタビュー形式で追うモキュメンタリーが流れる。

今ではオタク文化もサブカルチャーとしてだいぶ社会的に市民権を得たとは思う。それを踏まえた上で現代の目線で見るとどうなのかね?
過去の遺物として見るか?今も変わらず普遍的なオタクへの偏見として見るか?そこで今作の解釈が分かれそうだね。
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