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柳生一族の陰謀のぉゅのレビュー・感想・評価

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)
4.0
2022年 鑑賞 22-204-23
BS日テレ 特選時代劇 にて
映画・演劇・テレビ界の豪華スター陣を結集したオールスターキャストで、東映が威信を賭けて時代劇復興を目指して12年ぶりに製作した巨篇。「仁義なき戦いシリーズ」「魔界転生」等の深作欣二監督による、徳川幕府で発生した長男・家光(松方弘樹さん) と次男・忠長(西郷輝彦さん)兄弟による三代将軍位争奪戦を基に、実在した歴史上の人物と史実をフィクションで織り交ぜ、権力に生きる但馬守(萬屋錦之介さん)や十兵衛(千葉真一さん)ら柳生一族の存続を賭けた壮大な時代劇作品。

ー 悪夢は続く日は当たらずに ー
時代劇好きですか?私は小学生時代はよく私の唯一の祖父母である母方の祖母とよくTV時代劇を観てました。「水戸黄門」「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」「大岡越前」など... 今では考えられない... 再放送もだがGTにTV時代劇なんて... それこそが若者の時代劇離れだな... とりあえず、この作品の深作監督も演出された「必殺!シリーズ」を観て欲しい!今の時代にもピッタリだと思う!

元和9年、ニ代目将軍・徳川秀忠が急死から始まる... 秀忠の後継は長男だが、両親から疎まれている(顔のあざやどもりから)家光か?次男だが、両親に愛されている忠長か?後継将軍を巡る兄弟争い、幕府の権威失墜を求めている京都宮中の一派らの思惑、大坂夏の陣以来の安定に馴れた天下は、ここに再び動乱の兆を見せ始め...
そんな雨の夜、柳生一族の3名により秀忠公の遺体から胃袋が取り出され... 毒殺疑い... 但馬守による家光派の伊豆守(高橋悦史さん)と春日局(中原早苗さん)の尋問、ある陰謀、呼び出された家光の怒り、但馬守の凄さ(勿論、但馬守役萬屋錦之介氏の演技力の凄み)、但馬守に諭される家光と家光派の結束。

柳生一族や根来の人々 = JAC? 千葉真一さん、真田広之さん(ハヤテ役)や志穂美悦子さん(柳生茜役)の深作組の常連の3名、千葉さんの弟である矢吹二朗さん(柳生左門役)などもいて... かつ忍者やくノ一役。

小笠原玄信斎(丹波哲郎さん)の参戦と十兵衛の隻眼、土井大炊頭(芦田伸介さん)暗殺計画と烏丸少将(成田三樹夫さん)の強さと兄の仇、家光暗殺未遂とマン(浅野真弓さん)の功績とマンとハヤテの絆... 家光派の但馬守 vs 忠長派の大炊頭の代理戦争のよう...

“泣くな 泣くなぁぁぁ”
“将軍として未熟”
再びの大炊頭の暗殺を... 十兵衛も参戦だが... 詫びる家光とドンと肝の座った但馬守(やっぱり萬屋錦之介氏は凄ぇ...)

但馬守の巡らす策略 十兵衛 vs 烏丸少将からの烏丸少将が死亡...三条大納言(梅津栄さん)が江戸に物言いも説き伏せられ... 三条と家光の京都へ上り、帝に家光を合わせることを約束させ... 事を急いだ忠長、黄瀬川で家光たちを襲うが... しかし罠... 反対に三条氏が殺され... 忠長は駿府へ引き返し、籠城... 一方家光は小田原城で諸大名を集め、檄を飛ばし... 駿府城の無条件開城と別木庄左衛門(夏八木勲さん)の討死... ここ討死のシーンの夏八木さんと西郷さんがいいっ!見惚れる!

忠長と彼の愛人の出雲の阿国(大原麗子さん)の殉死、このシーンでの名護屋山三郎(原田芳雄さん)の台詞が最高!十兵衛が知るある事実... 但馬守の策略のあの繋がりの有無を闇に葬るために取った行動、十兵衛のあの行動と但馬守の錯乱...

“●●の●が●●●という●●公式文書には記されていない。しかし支配者への反逆は、歴史には記載されないことが多いのである。”
深作監督に、千葉真一さん、松方弘樹さん、成田三樹夫さん、室田日出男さん、金子信雄さんらの出演に、ナレーションの存在... 私はやはり “あの作品” にも思える... 家光か忠長、この事で起こる江戸時代版の仁義なきか?但馬守が小林旭氏なら、十兵衛は菅原文太氏か?

上記の出演者含め、萬屋錦之介さんと千葉さんの主演を始め、三船敏郎さんなど超豪華布陣で最高!今のこの状況ではこんな布陣で豪華時代劇なんて製作されないだろうと思うが、私以外も待っている方は多くいらっしゃるはずなんで、是非ともよろしくお願いします!

「これは悪夢じゃあ...」

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