ハル・ハートリーを一気に見てきてよく聖母マリアの絵が出てくるなぁと感じていたが、今作では死んだと思われた男が記憶喪失になって蘇り、修道院に15年いた処女で色情狂の女と出会うっつーキリスト教云々を象徴するようなドラマになっていて、そこらへんを考察する面白さもありそうだが、裏組織や警察に追われながらドンパチするスリリングな展開もありつつ大真面目でありながら笑えないギャグめいた可笑しなシーンが挟まれたりして単純に何も考えずとも面白いし、役者がほぼ無表情で淡々と台詞を読んでヌボーッとしている雰囲気なんかはカウリスマキ的な印象がありつつ、また違った愛おしさがあったりして純粋に本当にツボ。見てるだけでシーンそれぞれが、過程が、キャラクターが楽しすぎる。
イザベル・ユペール、エリナ・レーヴェンソンの別格な美しさとたぷんたぷんな谷間がドラマへの集中力を途切らせるほどの破壊力だったけど、淡々としたディテールやシュールなシーンなど、独特な空気を構成する映像そのものがひとつひとつ魅力的で、それこそが作品の個性なんだと愛おしくてたまらない。
ハル・ハートリー、マジ良い。超好き。最高です。
