Lisa

ふたりのベロニカのLisaのレビュー・感想・評価

ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)
4.5
“昔々あるところに、ふたりのベロニカという少女がおりました…”この物語にも童話作家が登場するが、まさにお伽話のような不思議で幻想的でメランコリックでセンチメンタルな作品であった。イレーヌ・ジャコブの女神のような美しさ、アンバーなライティング印象的なカットの数々、そしてズビグニエフ・プレイスネルのあの名曲…。どれをとっても間違いなく”劇場で観たい映画”である。

巨匠キェシロフスキの作品は初見だったが、こうハッキリ断言したい。わたしはポーランド産の映画がとても好きである。それこそこのベロニカのように何も知らない異国の地に言葉に感性に(何故だか分からないけど)強く惹かれるのである。これは監督の言葉だが「この映画は普遍性を持ったストーリーで、言葉ではうまく言い表せないテーマを描いていて、言葉にするとありきたりで馬鹿げたものになってしまうようなことがらである」この世界にはそういったもので溢れている。そしてそういったものは押し並べて美しいのである。好きだという想いと共に。
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