マグマを撮影した助監督が事故死。
バーグマン嫌いなので(笑)、照明で白光りする顔面も1カットとて『アモーレ』のマニャーニに匹敵しうる瞬間は無かったと思いたい。
ただ夫に連れ添う帰郷も彼女からすると異文化への侵入であるし、民衆からの孤立というのも極めてロッセリーニ的な主題。
兎を殺させたりマリオネットブラザーズ井上がテクノブレイクしそうなマグロ漁は現実を捉えているゆえドキュメンタリーと言われそうだが、この食物連鎖という非情にして絶対的な関係はそれを覆すラストのためにある。
ロッセリーニの産んだ貧困や虐殺によって必然的に人が死んでいくネオレアリズモは、また彼の手によって神話的な再生へ変容していく。