2010/9/20鑑賞(鑑賞メーターより転載)
一人の難民女性がすがるように選んだ結婚で訪れた火山島ストロンボリ。うまくいかない夫婦仲、異端児を見つめる周囲の厳しい目、そして火山のふもとでの過酷な生活が、彼女を容赦なく怒涛のように絶望の淵に叩き込んでいく。そんな運命という名の強烈ないじめを、カサブランカほどの若さはないがそれでも美しすぎるイングリッド・バーグマン様を使って、のちの夫ロベルト・ロッセリーニが弄ぶように描いている。荘厳とまで言える火山の只中で繰り広げられるラストは圧巻。昨今の映画では、こんな映像と余韻の生々しさは味わえない。
