このレビューはネタバレを含みます
キム・ギドクはやっぱり言葉がない方が好きだな。
「春夏秋冬〜」もだけど、水に浮かぶ建物の映像って、理屈抜きになんかぐっときます。
というかこの作品は「春夏秋冬〜」と対になってる印象。
終始ぬめっとした湿度の高い映像。
虚無に裏打ちされたエロス。
痛みと引き換えの執着。
暴力と紙一重の愛。
いや〜このヒリヒリ感、とても好きだ。
釣り上げた魚の半身を削いでまた放流するとかね。そんな発想あまりしないよな。
ごく自然にやってそうな、えげつなさとおぞましさ。
魚と寝るって……そういうことか!!!
人を魚に見立てる手法とかもね、実にキム・ギドク。こわいわ!好き!
ただこれは極私的に、犬を叩いたりとか、べちゃべちゃした食事シーンだけは苦手だ。
黄色いペンキを含ませた刷毛を絡ませ合うだけで、なんであんなにエロティシズムなんすかね?
ふつうのラブシーン?よりずっと淫靡でした。
結局魚になったのは女だった?みたいな解釈で合ってる?