ハリー

灼熱の魂のハリーのネタバレレビュー・内容・結末

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

命の意味、命を繋ぐ意味

映像はとても淡々としている、とても静かな画だ。
だが紡がれる話はうねりと熱を帯びて行く印象を受ける。

命の賛歌、生きる事の賛歌 ショーシャンクやグリーンマイル的なものではなく、本当に根源的な命の意味を問うような感じ。

個人的な話だが、これと似た感覚が昔あった。
祖父が亡くなる直前、最後の別れ時に孫が集まった。
子も孫も上手く行ってる人生とは言えない人ばかり。
それでも祖父の最後を見送りに来た。形はどうであれ命を繋ぐ事には意味がある。そう思った。
もう一つ大事なのは愛と強さがあったからそこに行きついたと思う。命だけでは正直分からない。

そしてそれは誰かにとっての救いにもなる。

万人に勧めたいと思わないが、人生で観ておいて良い作品だと思う。


カッティングは静か、人の顔が大きく画角に収まっている。またはフルショットで引いた画で収める。ドラマとドキュメント交互に用いてる印象。映像も直接的に見せる画が少なく、間接的なものが多い。
それがこの作品の独特の距離感を生んでる。
そこに生きた人物の説得力を持たせつつ、傍観者である感じ。
それは兄弟が母の人生を追う距離感を我々にも感じさせたいのかもしれない。その狙いは後年のボーダーラインと同じなのかも。
ハリー

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