杜口

灼熱の魂の杜口のレビュー・感想・評価

灼熱の魂(2010年製作の映画)
4.6
今作をドゥニヴィルヌーヴの最高傑作と言う人も多い傑作。

人を探し、その中で自らの運命にある種気づき、受けいれるまでが描かれる。
主要な登場人物全てが家族を探す物語で、この平行する話が普通2つぐらいでせいぜい3つだが、これは4つ、もっといえば5つが平行し進む。

それも、家族を探すというそんなに行動のための説明がなくとも成り立つ話なため、映画は放浪する人物という共通項があるために、複数の世界をカメラが渡り歩いても緊張感が持続してゆく。
そもそも、背景の政治情勢自体が説明がなく、常に登場人物の体験として、背景が見えてくる。

物語には1つの奇跡が含まれてはいるが、祖国を捨て、壮絶な人生を経験した人たちが沢山いることを映画は見せてくれる。
杜口

杜口