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暖簾の3104のレビュー・感想・評価

暖簾(1958年製作の映画)
3.8
東北出身東京育ちの川島雄三だが、こういう「上方」を描かせても上手い。
山崎豊子の原作のなせる業か、地域差によらぬ“共通項”のようなものを掴んでいるからなのかはわからぬが、今作は中村鴈治郎の演技や佇まいもそれを後押ししているといっていい。その鴈治郎が退場する中盤以降は映画のテイストがやや異なり、ここからは森繁が二役までこなして作品を引っ張る。森繁もいいのだが、伴侶役の山田五十鈴がさらにいい。その三者(他の役者も)が目立つが出しゃばり過ぎていない塩梅が映画自体をオーソドックスかつ観やすい「良品」たらしめている。

丸顔の乙羽信子も愛らしいが妹役の環三千世や、何より若き日の扇千景が美しくてびっくり。というか扇千景とはまったくわからず。
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