生姜異物強壮

MIND GAME マインド・ゲームの生姜異物強壮のレビュー・感想・評価

MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)
3.8
単純に言い切ってしまうと、これは「日本の現代コントの、"実写5%配合"アニメ化」。

日本の舞台で繰り広げられるコントには、たとえばサンドウィッチマンの演ずる、実際にコメディ映画から切り取ってきたような「実写風」世界を描くネタもあれば、流れ星みたく「妄想ジェットコースター風」世界を描くネタもある。

その後者……たとえば、流れ星の代表作『肘神様』を思い返してみよ。

最初ネタは、じいちゃんを慕って田舎を訪ねる「話を語ってみせる」ところから始まるのに、最後は、(回想の客体であったハズの)じいちゃんが能動的に「孫を拉致、洗脳する」ホラー話に すり替わってしまってる。

このように、ストーリーに合理性が薄く脈絡が飛びまくるのに、日本の観客は(TVやネットを通しての視聴者も含め)そのシュールな妄想寓話を「違和感なく」受け容れて鑑賞し、腹をかかえて笑ってる。

笑えてる、って実は、スゴくないか❔❔

仮に、そのネタを映像に置き換えたら、置き換えることができるとしたら、どんな「悪夢と爽快感の入り混じるイリュージョン奇談」に映るコトか……大多数の人は、そんなこと考えずに(現代コントを)瞬時に消化。屈託なく笑う。

日本人のコントネタに対する順応なり受容って、実は(思ってもみないほど)偉大な能力だ。そんなことを、この作品を眺めてて感じずにはいられなかった。肝心の💦当作自体への評価をスルーするようで悪いが、わたしの正直な感想は「まず、この点」に尽きてた。