RIO

冬の光のRIOのレビュー・感想・評価

冬の光(1962年製作の映画)
4.0
漆黒のような黒が目の奥に鮮やかに残る
超高感度フィルムを通す滑らかな深さにベルベット感あります

象徴的なショットの美しさとは反対に人間の狡猾な顔が
自分を守るための防衛戦を張りまくる

言い訳ばかりを言ってしまう神父様は初めてです
そう言えばウェス・アンダーソン作品で隠れてお酒を飲んで泣いてる神父様がいた
どん底でどうにも救いを見出だせない
1度光に包まれて全てを捨てるみたいな悟れそうだったのにチャンスを逃した

ベルイマンの父親がプロテスタントの聖職者なので同じ運命を辿っていたらというもとに作られてる
最悪の時にこそ神の沈黙が堪える
その神を信じていけるのか苦しみながらも神を信じよと伝えなければならないという罪にも似た意識

沈黙している存在を信じることの険しい道
黙ってますから自分の都合でどうにでも解釈できる
神父が妻を亡くした喪失からの悲しみから不信心さに懺悔している

核爆弾に恐れて家族への興味すらなくしてしまう絶望感

信仰することだけではなくとも自分の立場次第で相手を疑ってしまうことの弱さを見ている気がするみたいで戒めのようでした
初めに何の疑いのないままブレないようにするのは至難です

問いかけるものも目に入ってくる光も繊細
疑う心から自分の居場所がなくなってしまう
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