冬の光の作品情報・感想・評価

「冬の光」に投稿された感想・評価

Zuidou

Zuidouの感想・評価

5.0
「神の沈黙」なんて言われてもクリスチャンでもなきゃ分からなそうなところを、愛に応えない牧師と助言に耳を貸さない男という分かりやすいモチーフを示してくれるおかげでそれがどういうものなのか、どんな気分に陥るのかを疑似体験できる。報われない努力、無理解、どうしようもない断絶を前にした時の圧倒的な絶望。ほぼほぼ可能性無いんだろうけどもしかしたらあるかもしれないっていうのはつくづく厄介だ。幽霊の正体見たり、じゃないけどホラー映画でも怪しい暗がりが映ってるシーンの方が霊が現れている時より怖かったりするし。
otom

otomの感想・評価

4.5
神の沈黙に心折れる話と言えば、やっぱりカラマーゾフの兄弟を思い出してしまう訳ではありますが、この作品も苦悩に満ち溢れている。神への憤りが題材だとは思うのだけれども、牧師が核心に辿り着いた時の光は余りにも優しく、人間の心変わりさえも許していると云う様な表現にさえ見える。ベルイマンに詳しくないのでどうかは分からないけれども。悩める仔羊は見た方が良い気がする。良作。
宗教とか神とかぶっちゃけどうでもいいと思っているせいか毎度見てすぐ話の内容とか忘れてしまうのだけど、教会とか冬の村の風景はその侘しさと美しさでいつまでも心に残る。

会話が中心になってもフェイセズや裁かるるジャンヌみたくじっくり寄りの絵を映しているのが絵画的で心地良く、しかも手紙のシーンでイングリット・チューリンがひたすら内容をカメラ目線で読む姿を長々と映すような面白い試みが行われているのも良い。

ベルイマン作品の映像は厳粛な趣だけでなく実験性に富んだ面もあるのが素晴らしい。

それにしてもモノクロで映した枯れ木ってどうしてああも儚げで不気味な存在感を放つのだろうか。
liverbird

liverbirdの感想・評価

3.8
かなり考える内容の作品で、80分だけどヘトヘトになりました、、脚本的な面で少し参考に覚えておきたい作品!!(でも宗教色は出さずに)
こういうテーマを、教会を舞台にしてやるから面白かった。神の存在と愛の存在について、そして人が生きる意味を、究極の方法で見せられた気分。勉強してからまた観たい。
素晴らしい構図がいくつかあって満足。信仰なしで生きるには現実は辛すぎる。けれど、信仰を持ったところで辛さが和らぐわけじゃない。どんなに祈っても、神は不幸を取り除いてはくれない。むしろ神を信じている分、余計に理不尽さが募るだろう。そして一度持ってしまった信仰は、二度と捨て去ることができない。神の存在を忘れることはできないからだ。たとえ否定しても、神は不在という形で人間について回る。本作のつらみは、神の沈黙という以上に、神を捨てきれないことの苦しさなのではないか。しつこく言い寄ってくる女性へぶつけられた司祭の言葉は、どこまでもついてくる神へのいら立ちのようにも聞こえる。
kkmovoftd

kkmovoftdの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

誰も神を信じていない教会。
ヨーナスを帰した後でトーマスに差した後光は?「神よ何故見捨てたもうたか」とは?
全てを受け入れて信じた女教師がとても美しかった。結局は何を信じるかではなく、信じるという姿勢なのだと思う。
何も消化できていないため、しばらくはこの映画について考えることになりそう。
見ていて、同監督作「野いちご」を思い出した。今作の主人公の牧師は「野いちご」の主人公イーサクとその息子と同じくらいの(すんごい)エゴイストかつ偽善者である。
「野いちご」ではイーサクの息子の妻役を演じていたイングリッド・チューリンが今作では主人公を愛する女教師役を演じている。対照的な役だと思う。イーサクの息子の妻は精神的に成熟しており芯が通っている。包み込むような優しい愛、ゆるし受け入れる愛がある。一方、今作の女教師は卑屈で従属的であり、実は自分のことしか考えていないエゴイストである。相手の気持ちなど考えず一方的に愛情と名付けた重荷を押し付け、相手にも自分と同じような愛を強制している。
この映画に出てくる役は、自分のことで精一杯な人たちばかりだと思った。自分の内面世界に向き合うのにいっぱいいっぱいで他人のことを考える余裕すらないようだ。核爆弾の物騒な話もそれに拍車をかけている。自国を守るために世界を危険にさらしているからだ。
少しだけでもよいので、もう少し他人の気持ちになって考える努力をしたら個人の内面世界も、人間関係も、世界関係も救われる気がする。
ある程度キリスト教の知識が必要な映画。主人公は自分のことばかり考えているから、周りが見えなくなって神を信じられないのではないか。前向きな心で、心を(ほんのわずかでも)他人に開いて生きていけば心の袋小路から抜け出せるのに。
「イングマール・ベルイマン監督 ≪神の沈黙≫三部作 ~その2~」と位置付けられている本作、これまたベルイマン監督の傑作のひとつ。

この映画の原題は『聖餐式出席者たち』であるが、ベルイマンが「この作品で最も苦労したのは光線の扱い方だ」と実際に話して表現しているように、邦題『冬の光』は非常に良いタイトルだと思う。


冒頭と終盤で教会牧師の姿を見る印象が、崇高感から俗世的にガラリと一変してしまうのは、途中の物語を知る/知らないの違いからだが、牧師自身が「神を信じていない」というのを見てしまうと牧師を見る目も変わってしまう。

このあたり、この作品が「教会での物語」→「教会の外の物語」→「教会」について上手く描写して上手く語っている証明ではなかろうか。
素晴らしきベルイマンの手腕!


教会の牧師室で、牧師トーマス(グンナル・ビョーンストランド)に向って彼を慕うマッタ(イングリッド・チューリン)が、「どうしたの?トーマス」と尋ねるとトーマスは「神の沈黙だ」と応えるがマッタは「神の沈黙なんてバカバカしい。もともと神なんて居やしないのに…」という件では、マッタが神の不在を主張しているように見える。

マッタがトーマスに宛てた告白手紙をトーマスが読むシーンでは、
「トーマスが手紙を読む場面」→「マッタが正面向いて手紙内容を語る場面」→「手紙内容が過去の出来事(包帯を外す件)に至っては、更に過去の映像」となるあたりの「入れ子的な構造」が面白い。


記載するとキリが無いほど、素晴らしい物語・映像で構成されたイングマール・ベルイマン監督の傑作である。
ま

まの感想・評価

3.5


神の沈黙3部作

ある程度知識がないと理解しにくいと思うので、キリスト教に知識のある方は。
2回観てなんとなくこの映画の凄さというか良さというのを少し理解できた気がします。ベルイマン自身の信仰心を疑ってしまいました。


「人生の意味」
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