みきちゃ

人生はビギナーズのみきちゃのレビュー・感想・評価

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)
4.3
わんこかわゆ!アーサーかわいい。思わず犬種を調べてしまった。ジャック・ラッセル・テリア。可愛い。アーサーならば飼わせてもらえたい。

マイク・ミルズ監督が実際に経験した、マジ父(75歳)からの「いや実は、俺、ゲイやねん」という突然のカミングアウト。

これがマイク・ミルズ事でも、作中のユアン・マクレガー演じるオリヴァー事でもなく、私事だったならば一体どう感じるのかなあとあまり豊かではない想像力をしぼって考えてみた。が・・・想像力の限界到達までがはやいなこれは…。

オリヴァーの複雑な性格。メンドクサーだけど彼のバックグラウンドを考えると「悩むな!君は考えすぎだ!」なんて言えない。孤独には孤独なりの幸せがあって、その幸せまでの茨の道を否定し逆戻りするとも思える決断をくだすことはとても難しい。

でも、せっかく出会えたアナ。オリヴァーが自分の物語を素敵なヒロインがいるハッピーエンドなものにしたいと真剣に願うのなら、行程はとてもシンプルかつシビア。恋した人と真っ直ぐ向き合えるように、まずは自分と、自分の人格形成に大きく影響した家族と向き合うこと。話はそれから。

ただの普段着の様相でもセンスの塊だったお衣装 by ジェニファー・ジョンソン。素材を活かしまくる衣装セレクトで、ユアン・マクレガーの骨格の良さがめっちゃわかった。メラニー・ロランのほうも、繊細な顔立ち、透明な肌、やわらかい髪の毛をより際立たせるお洋服ばかり。お部屋も現実味のある素敵さで住みたくなったし、色のバランス感覚に惚れ惚れした。
 
ゆるふわみもありつつ、力強いメッセージを込めた映画って素敵だ。現実的でシリアスだけど、登場人物を見守る眼差しが暖かくて、優しかった。包容力が高い映画。愛。

監督はこの映画を撮ることで自分と向き合って、色んなことを昇華されたのかなあと思う。決して楽ではなかったにちがいないけれどちょっとだけうらやましい。映画監督にしかできない整理のしかたやもんなあ。「20thセンチュリーウーマン」のほうは、監督のお母さんとの関係をモチーフにしてはる映画やと聞きつけて興味がわいてしまった。観てみよ。
みきちゃ

みきちゃ