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イリュージョニストのhi1oakiのレビュー・感想・評価

イリュージョニスト(2010年製作の映画)
4.0
傑作アニメーション「ベルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメの作品。
フランスが舞台だと思っている人も多いようですが、これエディンバラ(スコットランド)ですよね。主人公である手品師はフランス人で英語もそこそこ話せて、無垢過ぎる若い女の子はスコットランド・ゲール語しか話せない…という解釈であってるかな?
劇中の“魔法使い”を“魔女”に置き換えれば、コレはささやかな魔法の力を享受するシンデレラの話とも取れる。
寄り過ぎずバストショットもほとんど無く、ロングショットをメインにキャラクターの全身をアニメーションとして活き活きと且つ繊細に描いていて、千鳥足や初めてハイヒールを履いた時のふわふわした感じが白眉。それが慣れない土地にいる不安定さを見事に演出。
ジャック・タチが生前に書いた脚本を原作としているそうで、彼へのオマージュも作品中に(彼のことをよく知らない自分にもわかるほど)わかりやすく登場します。
二人が出会い、そして次第に別々の道を歩む様は、観る人・観かたによってはトラウマ映画にもなり得る話。
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